ESSAY TOP  

ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第6話 ポルシェな人々 その4
ポルシェにまつわる様々な人々の、本人にとっては誠に真剣な、はたから見ている と実に楽しい愉快な生態をシリーズでお話ししましょう。

電車で2駅いった駐車場

東京や大阪のような都心では駐車場をそれも屋根付き、もしくはシャッター付きの駐車場を確保するのは実に大変なことです。でも今回登場の--仮にAさんとしましょう--のケースは、そのような事情ではないのです。
普通ポルシェを買うのはいろいろな意味で大変です。まず、家族の説得(この説得に失敗したBさんの話は別項に譲るとして)、また両親の理解やお金の工面など越えなければならないハードルが沢山あります。このAさんの場合、たまたま電車で2駅いった駐車場になったのですが、ある理由から少なくても自宅からある程度の距離は必要としたのです。
Aさんのご家族は小さなお子さんと奥様の3人家族、普段に使っておられるファーストカーは国産のワンボックスカーです。サラリーマのAさんとって、ずっとポルシェは乗りたかったクルマでしたがなかなか買えるとは思っていませんでした。ある時、金額(実はかなり無理があった)と程度、グレードなどこれだと思えるクルマに出会いました。Aさんは悩みました、買えるか、買ってもいいか、買ったらどうなる、買うには、一番の問題は奥さんにどう言うかでした。
Aさんはあるクルマ屋さんの事を思い出しました。その人がよく、「欲しいなら買うしかないでしょう。いろいろと周りの事を考えると買えなくなりますよ。ま、ほんとに欲しいかどうかそこで試されますよね」と。
Aさんは決断しました。その結果、奥さんに内緒にするには家から少し離れた駐車場にせざるを得ず、結果『電車で2駅いった駐車場』となった訳です。Aさんはうちに来る度に言います。
M-HOUSEさんが「欲しいなら買うしかないでしょう。いろいろと周りの事を考えると買えなくなりますよ。ま、ほんとに欲しいかどうかそこで試されますよね」と、言ったので買ったと。
でも本当は、「買えるか、買ってもいいか、買ったらどうなる、買うには」と悩んだことを私は知っています。