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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第8話 ポルシェな人々 その6
ポルシェにまつわる様々な人々の、本人にとっては誠に真剣な、はたから見ている と実に楽しい愉快な生態をシリーズでお話ししましょう。

雨天未使用洗車月一

何か漢字の読み方テストのようで恐縮です。ところで、ナローポルシェ、いえポルシェを持っている人の中でかなりの方が雨の日は乗らない雨天未使用の人だと思います。Kさんもそんな方のお一人です。
Kさんが先日お店に来られていろいろなお話をしているうちに、ポルシェを買ってからまだ一度も雨に濡らせていない、出かけた途中でも雨が降りそうな予感がしたら躊躇なく引き返してくると自慢げに話されていました。さらに、いつも月に一度の洗車をした後は高速道路を走って水分を飛ばしてそれから車庫にしまうのだと。今日もその帰りなのだと満足げに話していました。
その自慢げなKさんにあることを伝えなければと私は決心しました。

「Kさん、洗車をするって雨に降られたのと同じですよ。今までも月に一度は雨に降られている勘定になります」
「・・・・・でも、洗車と雨に降られるのとは違うんじゃないですか?それに、必ず高速を走って水を飛ばしてからしまっているから普通の洗車だけとは違うと思うけど」
「洗車と雨に降られるのは残念ながら同じです。しいて違いを言えば、水がきれいなことでしょうか。それに洗車後高速を走行するのは、実際に走行途中やサービスエリアに停めておいて雨に降られて、雨が上がってから走行をしているのと同じ状態です。停車状態で雨に降られる、これが洗車に当たります、さらに走行した場合は、外から水をかけただけでは入り込まないような細部にも水分が浸透していきます。その湿気がガレージに保管されている間に奥まったところの錆の温床になるです」
「仮にSさんの言う通りだとして、クルマの洗車はどうするのですか?汚れるじゃないですか?」
「Kさん、車庫でカバーかけてますか?」
「もちろん屋内用のをかけていますよ」
「それなら、クルマは全然汚れないと思いますよ。汚れなければ洗車する必要はないじゃないですか。さらにいえば、ホコリを払っても気になるようだったら、拭き取れば済むと思いますよ。それに今は、フクピカのような便利な物が数多く出回っていますから」
「でも、キズがつきませんか?」
「泥跳ねのような乾いてこびりついた汚れは拭き取るとキズになりますが、ホコリのようなものではキズになりません」
「洗車自慢のボクとしては、何か否定されたようでちょっとムッときたのですが、その通りだと思います。正直目からウロコが落ちるとはこのことだと思います」
「洗車に関してはこれ以外にも、目ウロコな話がありますので、また折を見てお話ししましょう」

話し終えてKさんにもご理解をいただいたけたようですが、多くの方は雨天未使用は汚れないということに気づかされてハッとするようです。