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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第16話 ポルシェな人々 その11
ポルシェにまつわる様々な人々の、本人にとっては誠に真剣な、はたから見ていると実に楽しい愉快な生態をシリーズでお話ししましょう。

うちにとっては有難い!?お客さま

M-HOUSEでは、交換して取り外した古いパーツはお客さまにお持ち帰り頂くか、ご了解のうえ廃棄処分にしています。 普通使えないものは処分してくださいと皆さん言われますが、中にはもう使えないとわかっていてもお持ち帰りになる方がおられます。その中でもSさんはなかなかの方です。このSさんは、内側が錆びていて下側が大きく凹んでいた燃料タンクを交換されました。うちは当然捨てられるものと思っていましたが、一応どうされるのかお聞きしました。

私、
「この燃料タンクどうされます?うちで捨てておきますけど」
Sさん、
「そうですね・・・・・」
「でもどうしようかな」
私、
「えっ!!!、持って帰られるのですか?」
Sさん、
「いや、いらないとは思うのですが・・・・・」
「ほんとにもう使えませんかね?」
私、
「もう使えません。なんとかなるようでしたら、交換しないでうちで直してさしあげています」
Sさん、
「でも何か惜しいような気がするので、貰って帰ります」
私、
「うちは捨てる手間がいらないのでありがたいですが、いったい何処に置いておくのですか?」
Sさん、
「実家の物置きに置いておきます」
私、
「実家ってどちらですか?」
Sさん、
「北海道です」
私、
「・・・・・・・・・・・、そうですか」

産業廃棄物処理業者を呼ばないで済む分ほんと助かる、『有難い』お客さまです。