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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第168話 久しぶりに再会したクルマ
あるナローに十数年ぶりに再会しました。ここ十年でも、そのクルマの別々のオーナーからパーツの問い合わせや買取の相談があって、まったく疎遠だったという感じはしていませんでしたが、やはり目の当たりにしてみると年月の経過を見せつけられました。
現在でも十分、いわゆるいいクルマですが、以前はもっと目を見張るくらいオリジナルないいクルマでした。それと比べると明らかにダメになっていました。以前からいいクルマはダメにならない、残っていくと言っていますがある理由から100%そうとは言えないと思い知らされました。それは問題点はオーナーが変わることです。この十年でも知る限り三人のオーナーがいます。
一人のオーナーが一箇所のパーツをオリジナルから現代のものや社外のものに交換する。これを三人のオーナーが一箇所づつ実施したとして三箇所、壊れたところやダメになったところをそのままにして置いて転売してしまうとそれらが三箇所。各オーナーは大事にしているつもりでも、そうやってクルマが変わっていきます。その数が増えれば増えるほど、クルマはオリジナルから遠ざかりダメになっていくと同時にそれが普通に見ていても(クルマに詳しくなくても)わかるようになっていきます。
仮にオーナーが変わっても、面倒を見ている方が同じならまだしもかもしれませんが、全国を移動しているので、新たにクルマを面倒見る方の考え方の差によっても上記のようなことが起こります。
自分のクルマ、どうしようと勝手だろうという声もあるかもしれませんが、どなたもそんないいクルマを買うことにした根拠はオリジナルだったというのがあるはずです。自分が買う時はオリジナルを、売るときは関係ない(少なくとも自分でしたことは仕方がない)というのはどうなのかと私は思います。




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