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第17話 ポルシェな人々 その12
ポルシェにまつわる様々な人々の、本人にとっては誠に真剣な、はたから見ていると実に楽しい愉快な生態をシリーズでお話ししましょう。
女性とポルシェの大敵直射日光
先日稀に見る低走行の73RSをお預かりしました。何と12000kmです。うちのガレージでこのクルマをご覧になった方々に必ず聞かれたことが、これって実メーターですか?、と。クルマの善し悪しの良くわからない方は、112000kmですかと言っていました(当時のオドメーターは5桁で10万kmのくらいがありませんでした)。
私も、久しぶりに10000km台のナローを見ました。
ただ、こんな程度の良いナローでも問題がいっぱいありました。まあ、それらの多くは程度が良いがためのレベルの高い問題であり、その原因も容易に理解出来るものでした。ただ、ドライバー側のサンバイザーの劣化とダッシュボードの上にあるスピーカーの蓋の反り返りは、原因が直射日光だと誰でもすぐ気が付くのですが、全体の状態から推測して保管が悪かったとはとても思えず私も一瞬考えました。
私
「このクルマ外に置かれていた時間が結構ありますね」
○○さん
「うーん、そんなこと無いと思いますけど・・・」
「でも、私が買う前のオーナーが、毎日会社に乗ってきて、近所のガソリンスタンドに給油と洗車を頼んで置いてもらっていたみたいです」
私
「やはりそうですか、以前はそういうこと多かったんですよね。洗車の後は毎日日光浴をしていた訳だ。それで、距離と現在の状態のアンバランスの謎が解けました」
最近では、女性は街を普通に歩くのにも日焼け留めクリームを使っています。クルマの運転でも肩まで届くような長い手袋をしている女性が沢山見られますし、国産ではUVカットガラスも当たり前です。ただ、クルマのボディーは無防備です。赤い色のクルマに乗っていたことのある方は経験がある思いますが、ドアを開けた時、ボディ−の外側と内側のピラーのところで赤の色が微妙に違うことにあれっと思ったことがあると思います。赤は特に褪色しやすいのです。
○○さん
「ということは、出来るだけ日に当てちゃだめだって事ですね」
私
「そういうお気持ちを持っていただくとありがたいです。直射日光は、女性にもポルシェにも大敵です」
そんなやり取りをしてお預かりした12000kmの73RSも、やっと出来上がり近々○○さんのガレージに戻る予定です。オーナーのご了解を得て、いずれこういったいいクルマ達をうちのホームページ上で見ていただけるように、何か考えてみたいと思います。
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