ESSAY TOP  

ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第21話
雑誌の取材 その2

トランスミッションのいたわり方

今度は911マガジンから連絡が来ました。次号でトランスミッションの特集を組むのでお話をお聞きしたいということでした。
だいぶ広範囲な特集になるらしく、M/Tはナローのころから996、A/TはTipの変遷、可能性まで多岐に渡るものになるということでした。
大変好感の持てる特集なので、ご協力しますとお返事しました。M-HOUSEの受け持ちパートは「トランスミッションのいたわり方」といったもののようでした。そこで取材前に簡単に以下のようにまとめておきました。

T/Mの取り扱い(ナローポルシェシンクロの場合)

1、ローに入れる時は他のギアに一度入れてからか、他のギアに添えるもしくは舐めてからシフトする
2、バックに入れる時も同様
3、オイル交換は1万Kmか2年、どちらか早く来た時点で交換する
4、シフト時、アップ、ダウンとも回転数をあわせる
5、普通ナローの場合(標準的なレシオの場合)
1←→2 1500rpm
2←→3 1300rpm
3←→4 1000rpm
の回転差があるのでこの差を身体で覚え込む。シフトアップ、ダウンをした時に、タコメーターの針がビヨンビヨン(表現が適切ではありませんが遊んでフラフラしないようにとの意味)とならないように慣れること。

当日はこの要領をお話しして、リビルト中のミッションの写真を撮っていただきました。この時お話した内容で、Webでもしておいた方がいいかなと思ったことを付け加えておきます。
まずお話の前提として、トランスミッションというものはレースなどの過酷な使用状態やミスによる間違った使用状態以外通常の使用過程ではまずギアが欠けたりシャフトが折れるということはないということです。ただ今後注意しておかなければならないのは時間の経過のことです。一番最後につくられたナローでも今年で31年が経ちます。今までの常識では大丈夫だったものが今後も大丈夫だとはいい切れないということです。つまり機械的に未知の領域に入ったというこです。これからは思いもよらぬ箇所が破損することがあるかもしれません。
それからパーツのことです。機械部分には比較的パーツ供給の心配のないポルシェですが、特にボディーパーツなどは復刻版がポルシェから出てきているように思いますが、ことトランスミッション関しては心配しなくてはならないかもしれません。

両誌の取材を終えて、ナロー、ポルシェのためなら協力を惜しまないM-HOUSEとしてはどちらも頑張って欲しいと切に思いました。