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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第219話 RSのひとりごとー4
白日のもとに

 S代表は、確認しました。今面倒をみていただいているショップさんは何もおっしゃっていませんでしたか?、と。さらにこうも言いました。「お聞きになってがっかりしたりしないか心配です。こういうことは何度もあったのです。皆さんどうしてもお聞きになりたいとおっしゃっるのでお話しするのですが、いつもお話しないほうがよかったと後悔するんです。」それでもお願いしますという現オーナーの希望で、S代表は話し始めました。
 「社外品の部品や年式違いの部品がついているのは全く触れないとして、大きく気になるところが二つあります。ひとつは、社外のクーラーがついていたのはいいのですが、それらを取り外したところがそのままになっていること、もうひとつ本来サンルーフが付いていたはずですが、それがないことです。私は、サンルーフを溶接で埋めてしまって全塗装していると思いますが。」
 現オーナーの顔色が変わったのがわかりました。
 衝撃の話は全くその通りでした。少し前、クーラー一式が取り外されましたが、各所のの穴はそのまま残されていました。サンルーフは、三人前のオーナーが全塗装の際に溶接してしまってくださいと言って、実施されました。それに伴う弊害があります。
 現オーナーもRS BOOKではサンルーフ付きになっているのにどうしてサンルーフがないのか気になっていました。私を仲介したショップの方は、どうして無いのかわからないですがきれいになっているので問題ないんじゃないですかと言っていました。
 現オーナーは明らかにガッカリしていました。それを見たS代表はこんな話をしました。
 「このRSはオリジナルとは違っていますが、そういうところはパーツのことでいえば二十や三十箇所ではありません。気に入ってお買いになられたわけですから、今まで通り大切にしてあげてください。どうしても気になるのであれば、オリジナルに戻すようにするしかないです。ただ、オリジナルを目指すとそれに合わせて現在問題の無いところも整合性を取るために再度やらなければならなくなります。それはかなり広範囲、結局全体になります。サンルーフは結構大事でお金もかかりますので、よく考えてみてください。」
 S代表の話は続いていましたが、現オーナーの耳には届いていないようでした。
              ・・・・・来週に続く。



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