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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第220話 RSのひとりごとー5
失意の底から

 M−HOUSEに行ってからの現オーナーは何も手につかないようでした。S代表の話はあまりに衝撃的でした。かなりの自信を持って行っただけにことさらショックを受けたようでした。
 私はここからの現オーナーに注目しました。現オーナーは私を仲介した行きつけのショップにつれて行く用意をしました。私を元通りにしようと行動を開始しました。私はワクワクしました。そこで、M−HOUSEでS代表に言われた、クーラーの取り外しあとの取り付ける前の状態への回復とサンルーフの付いた状態への回復、と社外部品のオリジナルパーツへの交換をしてほしいと見積り依頼の話をしました。
 ショップで現オーナーは、こんな風に言われました。まず、直すのはできるけれど、クーラーに関してはどこまで直すのか。大きな目立つ穴を塞ぐだけでいいと思うけど、クーラー配管をとめるために開けたビス用の穴まで埋めるのか?、完璧に元に戻すならやってみないとわからないので金額の見積りはできない。それにそこまでやる必要があるのか、と。サンルーフに関しては、ヘッドライナーをはがして、元のサンルーフがどのような状態になっているのか、何が残っているのか使えるのか、全くもってやってみないとわからないと。そして、ここまできれいにしてあるのにもう一度手を入れるとなるとそれは大変だと。
 ショップの人はやりたくないというより、どうしてやるの?、そんなにお金かけるの?という感じでした。見積金額なんかすぐ出ないよという感じでした。それでも、ざっくりとした金額でいいのでと、現オーナーは粘って聞きました。金額は、何とも言えないが、ごくごくアバウトにいって、最低250万円を超える、クーラーとサンルーフだけでと、いうことでした。多分全塗装になるからと。
 現オーナーは、金額の高さも驚きでしたが、クーラーの取り外しあとの現状回復とサンルーフの付いた状態への回復が、あまりに大変なことで、実施に前向きさが感じられないこと、互いの気持ち思いがかみ合わないことがショックでした。板金の絡むボディーの原状回復がいかに大変か、またRSだけにきちんとした仕事をしてもらいたい、戻したいという気持ちと現実との隔たりがあまりに大きいことに当惑し、ショックを受けていました。
 私は現オーナーと家路につきました。
              ・・・・・来週に続く。



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