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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第224話 RSのひとりごとー7
あれから4年

 私は現在、13人目のオーナーのもとにいます。今度の家は今までで一番豪華なところです。私はまだ流浪の中にいると思っていました。このガレージには、私の前に二台のナローがいました。13人目のオーナーは、クルマをきちんしておく、しておきたいタイプでした。
 はじめの一台は、エンジン調整にはじまり、ミッションオーバーホール、エンジンオーバーホール、各部ブッシュ交換、ショック交換、ブレーキまわり全交換といわゆる機械まわりはほぼ全部に手を入れるという状況でした。トータルで500人近い福沢諭吉氏とお別れ会をしたらしいと聞きました。
 次の一台は、機械まわりはほぼやってあるから心配ないというふれ込みでの購入でした。そこでオーナーはボディーの気になるところの補修を実施したあと、内装を直しはじめました。前後のガラスを外したところからはじまり、天井の交換、ダッシュボードの交換、ハンドルの交換、前後シートの張替え、カーペットの交換等ほぼ室内は手を入れるという状況でした。ここまででやはり数百人の福沢諭吉氏とお別れ会をしたらしいと聞きました。
 そのうち、やってあるというふれ込みだった機械まわりにも問題がたくさんといっていいほど出てきました。さすがのオーナーもここで考えました。いいクルマだといわれ、自分でもいいクルマだと思って買ったけど、前のナローもこのナローもダメなクルマだったのではないかと。
 私は、その二台のナローを見ていないので断定的なことはいえませんが、ナロー的に見たら普通だったのではないかと思っています。ただ、13人目のオーナーはちょっと違うことを考えていました。ダメなクルマだったのは自分の見る目が無かったと、そのことは人のせいにはしていませんでした。しかし、どうしてあんなにお金をかけたのにクルマがピリッとしなかったのだろうと、だから結局手放したわけだからと、そこが引っかかっていました。
 クルマをきちんしておく、しておきたいタイプの13人目のオーナーは考えていました。
              ・・・・・来週に続く。



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