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第228話 RSのひとりごとー11
カーマガジン その3
13人目のオーナーは、まだカーマガジンを見ていました。長期間ワンオーナーの69Sの載っている号から4、5号あとにやはり73RSが取り上げられていました。
それは二台のRS比較でした。以前にも読んでいましたが、RSを購入したばかりでムムッと思いながら見ました。すばらしいオリジナルコンディションのRSの最初期のものと後期のものを二台並べて、その異なる箇所を検証するという、クルマがよくなければ成り立たない企画でした。どこのクルマかと記事を確認したら、車両提供はMーHOUSEでした。長期間ワンオーナーの69SもMーHOUSEでした。
実は13人目のオーナーは、以前からMーHOUSEが気になっていました。古くは911マガジンや911DAYS、ルボラン、以前からカーマガジン、レンシュポルト、エンジン等の雑誌にナローが取り上げられる時に、いいクルマだなと思うクルマの車両提供はみなMーHOUSEだったからです。今回の二台のRSも実にすばらしいオリジナルコンディションでした。自分のRSのことはすっかり忘れて記事に見入りました。
本文を読むと気にかかるところがありました。
「ダブルキャストの2台は、ナローポルシェのオーソリティとして知られるMーHOUSEが、ファクトリーオリジナルに徹底してこだわりつつ美しく仕上げたもの。」という部分でした。さらに読み進むと、MーHOUSEの記述があり、ワンオーナーの69Sからの疑問が氷解しました。
自分のように以前同じクルマを所有していたものは、いくらきれいに新車然としたクルマでも、以前所有していたものと明らかに異なると感じられる部分のあるクルマは、それが多ければ多いほど同じクルマと認められないという思いが、ずっとあった。しかし、MーHOUSEがやっている徹底的にオリジナル、新車製造時にこだわり、残すべきところは残し、直すところは直し、交換すべきところは交換し、使用するパーツは当時もの純正新品に血眼にこだわり、これでもかという技術と労力を投入して、新車時に限りなく近くなるようにクルマを修理し復元、再現するという手法、これこそが、自分が探し求めていたものだと確信できた。それはメーカーでも不可能であり、メーカー故できない手法といえた。
13人目のオーナーは、興奮していました。今度買ったRSは、MーHOUSEで徹底的にやってもらおうと。
・・・・・来週に続く。
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