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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第242話 同じ話ですみません
 先日ナローに乗ったお客様がお見えになりました。きれいに全塗装されたおクルマでした。おクルマを見ながらいろいろとお話をして、乗ってほしいということになり近くをひとまわりしました。
 どんな感じか知りたいので運転してくださいといわれ、ハンドルを握りました。事前に伺っていたのは、購入にあたって一通り整備はしてもらっていますということでした。オーナーの方は、ご自分のナローが同年式のほかのナローと比べてどうなのか、良いのか悪いのかをお知りになりたいようでした。
 ひとことで申し上げると、よくこの状態で乗ってこられたなという感じでした。各部に遊びがある、音がするということははじめから除外してクルマを見てみても、正常ではありませんでした。ごくごく控えめに言っても、一箇所の部品が完全にダメ、調整で済む部分も手付かずのようでした。
 こういった話になると、M−HOUSEさんはたくさんのナローに接しているので良いも悪いもすぐ判断できるでしょうが、一台しかもっていない普通のオーナーには判断ができないですよと、お叱りを受けてしまいます。もちろん、M−HOUSEだからわかることはありますが、私の申し上げたいのは次のようなことです。
 あるクルマの数年落ちの中古車に乗ってみると、そのクルマの新車(時)に比べて使い込まれているなとか、古くなっているかなと感じると思います。例えば中古車のATのシフト具合に限ってみて、シフトアップが遅い、ショックが多いと感じることがあるとします。人は、その違和感を以前に乗ったほかのクルマと比べて、故障か経年変化かどうか許容範囲を判断すると思います。
 ナローも同じで、普通に乗ってみて、こんなことはないだろうちゃんとしたメーカーが作ったクルマなんだからという、ごく一般的な感覚で接してもらいたいのです。ポルシェは特殊だからとか40年以上経っているからとか、そういったことは除いて、自分で?と思ったらそれはやはりどこかおかしいと思ってほしいということです。
 お見えになられたお客様にも、丁寧に上記のようにご説明して理解していただきました。以前ならずばり壊れていますね、修理しないとダメですねと言っていたのですが、それが一番の親切だと思っていましたが、最近はまずクルマをわかる人になってもらうことが良いナローが増える早道だと考えています。



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