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第243話 どちらが本当の幸せか?
NHKドラマ「フェイク」の最終回を見ていて
今週のNHKの火曜ドラマ「フェイク」の最終回を見ていたら、美術品の目利きの主人公が絵画の雁作者からこんなことをいわれていました。
雁作者の描いた偽物を本物と信じている所有者達は、あなたのような目利きに贋作偽物と見破られずそのことを知らずにいたら、ずっと幸せでいられたといった内容の場面がありました。いつか手に入れたいと思っていたお気に入りの作家の美術品を見つけ購入できた収集家は、そのままずっと至福のときを過ごせたというのです。
一瞬そうかも知れないなと思う方もたくさんおられると思いますが、本当はドラマの主人公が正しいのです。見破られるまでは本物で見破られたら偽物になるわけではなく、もともと贋作偽物だったものが白日のもとにさらされていなかっただけなのです。美術品の真贋を見極められるこの主人公のような人物が、なにより重要なことが理解できます。
M−HOUSEで拝見したナローポルシェの中に、社外の部品が取り付けられているところや年式違いの部品が取り付けられているところ、収まりがオリジナルと逆さまなところや全く異なるもの、果ては二個一まで発覚してしまったオーナーの方々の中に、もう少し夢を見たかった、見ていたかったという方が少なからずおられました。仮にずっと夢を見ていられたとしても、それはそうとは気づかない悪夢かせいぜいアンデルセンのおとぎ話、裸の王さまでしかないと私は思っています。
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