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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第252話 いやー、いい出来です!!!!!
71S GOLD 完成 いよいよ納車

 古くからHPをご覧になっている方は覚えておられるかもしれませんが、以前ストックリストに載っていた、1971年式911Sゴールドが完成しました。すべての修理作業が終了しました。
 2002年のはじめにM−HOUSEに到着して、長らくストックリストにありました。問い合わせもたくさんありましたが6年以上もそのままでした。修理作業を少しづつしていましたが、行き先の決まったクルマの作業に追われてなかなか進まなかったのも確かでした。ご存知のようにM−HOUSEではクルマがみな完成前に青田買いされてしまうのですが、この71Sを絶対買うという方はなかなか現れませんでした。
 私は好きですが、多くの方、もしくは一般的日本人にはGOLDという色がネック、というか嫌いなのだと感じました。中にはアイボリーやシルバーに塗り替えてくれたら買うという方が少なからずおられました。申し訳ないのですがすべてお断りしました。納まる先がないのなら、最後は自分で乗ろうと、出来たらそうしたいと思っていたので、かえってその方がいいやと思うほどでした。
 今週最終チェックのために乗りました。この71Sは機械部分でいえば、メカポンをはじめエンジン、ミッションのOH、ショックアブソーバーの交換からスタビのブッシュに至るまで足回りの完全リニューアルとブレーキ全部、元々オリジナル度が非常に高かった内装のリフィニッシュとノンオリジナル部分のオリジナル戻し、メッキモール等外装部分の一部交換、XWXの新品タイヤ等等等々々々M−HOUSEとして必要と考えられるところはすべて手を入れました。元があまりによかったので少し過剰とも思われますが、全体としての整合性を確保するためには必要と判断して行いました。
 乗った感じは、ひとことで言えば新車の硬さが残る、新車もしくは新古車としか思えないそれは素晴らしいものでした。すべてが正常でどこも問題が感じられない2.2Sらしい高圧縮比の新品エンジン、まだOH直後の硬さの感じられるミッション、真新しいタイヤの感触が伝わってくるステアリング、新車を彷彿とさせる室内など採算を度外視して時間をかけて仕上げたことが十二分に報われる状態でした。
 運転しながら思っていたことは誠に申し訳なく不謹慎なのですが、これぞ新車納車時の2.2Sといえるこのクルマに乗った後に、クルマを見てくださいとお客様が見えてお客様のクルマを運転しなければならない事態だけは避けたいなと思ったことです。採点が激辛になってしまいそうで。
 間もなくこの71Sは納車です。このオーナーは実に幸せな方です。ただ、このクルマが出している工場出荷時のファクトリーオリジナルのオーラに負けず、この状態を維持していくことはかなりの努力と自制が必要です。プレッシャーに負けないよう応援しながら見守っていきます。


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