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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第253話 ストックリストつながり
73T セピアブラウン ディーラー車

 このクルマもストックリストに載ったままずいぶんたちます。
 実にたくさんのお問い合わせをいただいています。クルマは現在、塗装中です。
 この73Tはかなり良いクルマなので、当初塗装はこのままで機械部分を中心に修理して、先週のエッセイで取り上げた71Sのような状態のものとは別のものとして、オーナーには十分そのことを理解してもらったうえでお譲りしようと考えていました。
 そう思いながらしばらくたって、仮にその状態でお客様のもとにいって数年がたった時どうなんだろうと考えました。エンジン、ミッションのOHが必要になって、ブッシュ類の交換が必要になって、塗装もそろそろかなっていう時が来たらそのお客様は購入時に聞いていた通り、それらの作業を実行してくれるだろうか?。71Sではそのようなことは一切想定しないでよい状態にまでに修理してから販売しています。だから高価なのですが。
 私の出した結論は、実行してはもらえないだろうというものでした。その時が来たら転売されるか、M−HOUSEで買ったけど数年でOHが必要になったと思われるか言われてしまうのだろうと。
 そこでこの73Tの方針を変更しました。通常のM−HOUSEと同じ状態にして販売することにしました。そのため現在全塗装中なのです。その後、足回り、ブレーキ、エンジン、ミッション、内装と進めていく予定です。
 冒頭申し上げた通り、たくさんのお問い合わせをいただいております。ご連絡をいただいた方と電話やメールでやり取りをしていてどうもかみ合わないなあと感じることが多いのです。修理の基本的方針の変更を伝えたうえで、販売にあたっての最終予想金額を申し上げると、そこまでいってしまいますかとか、やはり高価になってしまいますねとか、果てはばかにしているのかとお叱りまで受けてしまいます。
 私は当初修理にかかる金額をみなさんよくご存知ではないのだと考えていましたが、どうやらそうではないことがわかってきました。実は、TはSに較べて部品もクルマも何もかも安いと考えられているということです。乗ることに関しても、ナローの入門用でありSへのステップであり、価格も含めてすべてが手軽であると考えられているようなのです。
 残念ですがM−HOUSEで徹底的に修理(先週の71Sのように)すると、TとSはクルマの元の値段以外はほとんど差がつかないのです。困ったことです。
 塗装が終わって、エンジンのOHの時までにオーナーが決まったら、エンジンを含めた仕様(TではなくてSがいい)の相談には応じて差し上げようと考えています。



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