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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第26話 ポルシェな人々 その18
ポルシェにまつわる様々な人々の、本人にとっては誠に真剣な、はたから見ていると実に楽しい愉快な生態をシリーズでお話ししましょう。

座談会at M-HOUSE その1

座談会といってもそのために集まって話しをした訳ではなく、土曜の午後に何人かのお客さまとメカックのTさんと私Sが一緒になって話した会話です。

この日はいろいろなお金の話しからGT3RSってどんなクルマ?、そしてそれを買った人の話しに発展していました。

Nさん
「GT3RSって、買った人って知ってる?」

「うちのお客さんで一人いらっしゃるんだけど知ってらっしゃるかな、あの人」と買った方の説明をして、一同ああ、あの方ねと理解が出来たところで、
Fさんが
「ところで、正規もんで何台位入ったか知ってる?」と質問されました。

「20台位だと聞いていますよ」
Nさん
「乗り出しでいくらくらいかなー?」と尋ねました。

「その方から聞いたところによると、1700万円位らしいですよ」
Nさん
「だったら、オレにも買えるな」と言われました。
Fさん
「でも、お金があっても限定ものの話しが来なかったら買えないでしょう?」
メカックのTさん
「まあ普通は来ないですよね」
Nさん
「どんな人のところにそういった話しはくるのかなあー」
メカックのTさん
「まず即決できる人じゃないですか、それにそれまでに3台か4台は買っている、いわゆる上客でしょう」

「そうかもね、あのお客さんだって何だかんだいって、ミツワ時代から数えて5、6台は買ってるんじゃないかな、金額にしたら相当なものでしょう」
Fさん
「やはり、よっぽどのことがないと話し来ないんだね」

「以前こんなこと聞いたことありますよ。ミツワの六本木のショールームの中でお客さんのランクによって座る場所というか座らされる場所が違うんだって」
Nさん
「どこが良い席なの?」

「覚えてます?もう改装してしまったからないけど、昔の六本木ショールームに丸いテーブルの他に、ホテルのレセプションのような立派な机があったの?」
Nさん
「うん、覚えてるよ」

「あそこはほんと良い客しか座れなかったといいますよ。人によっては自分からあの席は辞退していた人もいたみたいだし、まわりを見渡して自分以外誰もいない時にしか座らない人がいるってセールスから実名を聞いたことがありましたよ」
Nさん
「そんなランクがあるんだ」
メカックのTさん
「昔から外車屋さんにはそういうのありましたよね。まだボクが小さいころ、おやじといっしょによくジャガーに行ったんですけど、そういうの感じましたね」
Fさん
「何だかお金のかかるところはどこもかしこも同じだなー」

「昔から、外車に乗るのって趣味だし、言い変えれば道楽ですから」
Nさん
「いくら位使えば良い客になれるのかなー?」

「前に、ミツワがポルシェをやめる時退職した営業マンに聞いてみたことがあるんですよ。いくら位使って一人前になれるのって、そうしたら最低3000万円位かなっていわれましたよ。それって3台は買わなくてはということでしょう」
Nさん
「へぇー」
Fさん
「ところでM-HOUSEではいくら位使うと上客になれますか?」

「うーん、難しいですね、うちは金額じゃないですから」
Nさん
「じゃあなによ」


「クルマを愛していることが第一です。クルマが好きではありませんよ、そんなのは男ならほとんどの人がクルマ好きですから。例えばクルマ好きの人で『所詮クルマは消耗品だろ金だして整備すれば文句ないだろ、いずれダメになったら乗り代えれるしかないんだから』という人はうちでは上客にはなれないですかね」
Nさん
「M-HOUSEは難しいんだな」
メカックのTメカニック
「やっていること、提供していることも難しいことばかりですから(笑)」

「お二人を前に失礼ですが、うちに来られる方、今いらっしゃっている方は幸せな方だと思います。ご自分のクルマを良く見られてどう思いますか?」
メカックのTさん
「代表、そういわれて、お二人ともそうですとは言えませんよ(笑)」

「やはり、お尋ねすることもM-HOUSEは難しいですかね」
Fさん
「早い話しがボクなんてまだまだでしょうね、M-HOUSEの上客には」
Nさん
「ボクはぼつぼつかな」

「お二人とももう十分にM-HOUSEのお客さまです」
FさんNさん揃って
「それってまだだってことだ」
一同、笑い

お二人がお帰りになるころ、どんなに小さくてもポルシェをポルシェ基準できちんと扱うお店には、ポルシェ本社に差し込むのと同じ日ざしが差し込んでいました。