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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第262話 1973−6
1973+38=2011

 一般的に40年近くの年月が経過した自動車とは、どのようなものだと考えられているでしょうか。
 そんなクルマ残っているの、大昔のクルマだね、大事にしてますね、走るんですか、部品あるんですか、普通に使えないでしょう、あのころの国産は止まらないでしょうブレーキきかないから、でも懐かしいなあ、といったものだと思います。
 先日一般道で以前乗っていたの全く同じ国産車が私の左側を走っていました。信号で並んで止まった時、思わずしげしげと見てしまいました。思ったことは、前述したことと全く同じでした。
 東京のTVにMXTVというローカル局があります。地上デジタルの二波めに、バックは映像と音楽だけで、短く要約したニュースだけを画面下にテロップで流している、ヒーリングテレビのような時間帯があります。そのバックの映像は風景が多いのですが、時々国産旧車のものの時があります。登場するのは1956年(ナンバーがそうなっている)トヨペットクラウン、67年ころのヨタ8やS8、73年ころのベレットGT−Rなどです。いずれのクルマたちも、それぞれ程度の差はありますがテレビに出るだけあって、みないい状態にいわゆるレストアされています。
 バックの風景は、横浜や湘南海岸、蔵の街川越だったりします。オーナーと思われるドライバーが丁寧に運転している姿から、古い車をこんなところでゆったりドライブできたらいいだろうなと思わせる画面です。このテレビを見るたびに40年の歳月とは、こういうことだと実感します。
 ここしばらく行っていませんが、ナローで箱根や奥多摩のワインディングロードを走ると、とてもテレビのような気分にはなりません。4駆のエボやWRXにはかなわない(たぶん)ですが、2駆のクルマだったら最近のクルマでも十分ご一緒できると感じます。
 昔はじめて67Sに乗ったとき、こいつは反則だなと思いました。67年当時この911Sが購入でき、公道を走れたことがです。
 まだM−HOUSEを始める前、ミツワの営業の方と彼のお客さんと私の三人で、うちの倉庫に行って私の持っていたナローを乗り比べるというお楽しみ会をしました。そのお客さんという方は、ナローを買いたいということでした。まずはじめに私がその日乗っていった73Sに乗ってもらいました。戻ってきた二人の興奮した第一声が、『これ反則ですよ』でした。二人のいう反則には、こんなに古いクルマがこんなに速いのはという意味だと思いました。ちなみにお二人は、993の4Sだったか996でお見えになりました。
 以前にも触れましたが、964前までのポルシェのパフォーマンスはナロー時代に達成されていたということでしょう。きっちり整備してあるナローの40年は、せいぜい20年といったところでしょう。




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