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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第263話 1973−7
番外編ポルシェの48年排ガス規制のこぼれ話

 昭和48年排ガス規制には二種類あります。新車とそれ以前の使用過程車です。規制を達成のための方法は、ディストリビューターの進角を負圧によって遅角させることが求められました。新車にはバキュームホースの取り付け口が設けられていました。ポルシェには72年(昭和47年)式から負圧進角式のディストリビューターが使われています。ホースがついていて、その先がスロットルバタフライにつながっています。機会があったら観察してみてください。
 使用過程車は、ディストリビューターの進角をアイドリング時から強制的に遅角させることが求められました。これを実施したクルマは、48年規制対策済みのステッカーが貼られていました。
 当時ミツワで輸入された71年(昭和46年)式までの正規ディーラー車は、この強制的に遅角の方法は採られませんでした。72年式以降の新車と同様に、ホースのついた負圧進角式のディストリビューターが使われていました。しかし、スロットルバタフライにはバキュームホースの取り出し口(細いパイプ)は元来ついていませんでした。
 そこで、ミツワ自動車では71年までのスロットルバタフライに72年以降のようにスロットルバタフライやマニホールド側の負圧パイプの取り出し口を加工しました。
 これらは文字で書くとなるほどと思えますが、使用過程車に実施するとなると実は大変な大ごとです。すべての使用過程車に行われたわけではないと思いますが、感服です。
 アメリカから輸入されたクルマには一切ない、正規ディーラー車だけの特徴です。機会があったらぜひ見てみてください。






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