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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第265話 昭和40年代後半の思いで−2
トキワ気化器 その2

 先週もお話しましたが、トキワ気化器はメインがキャブレターのOH、リビルトです。完成修理済みの棚には、もうあの時点でも出荷されないだろうと思われた、初代トヨペットクラウンのものや、初代コロナ、310ブルーバードなどがありました。
 主流だったストロンバーグやSU、アメ車の4バレル、LPG車のレギュレーターなどなど、いろいろなタイプのキャブや関連部品の分解組み立てをずっと見ていました。子供ながら沢山見ているうちに少しづつ違いが分かってきました。あまり年中来て工場の中を見ているので職人さん達が、仕事をしながらいろいろと話をしてくれました。アイドリングアジャスタスクュリューの先の減り具合を示しながら、正常なもの異常があるもの(調整整備で壊してしまったもの)など見せてくれました。また、フロートチャンバーのふたを閉めるとき、どういう順番でビスを締めていくのか、最後の締め方で緩みにくくなるとかとかいろいろなことを教わりました。
 またあるとき、自分の家の国産の7万キロほど走ったクルマのキャブをOHしてもらいました。特別どこかが壊れたということはなかったのですが、どんな違いが出るのか興味もあってやってもらいました。バラしながら、いい減り具合だねといわれましたが、自分ではきったないなあと思いました。OHの後再度車に取り付けて、ついでにオートチョークのバイメタルの調整の仕方を教わって、乗ってみました。エンジンは軽く回るわ、燃費は良くなるわ、で7万キロという距離の意味、異常ではなくても経年変化劣化するとはどういうことなのか、どこがどうなると性能が落ちるのかなど、実に勉強になりました。
 まだまだトキワさんの思い出は続きます。ソレックス、ウェバーなどのサイドドラフトキャブのジェットの交換と性能の関係、HKS創始者の長谷川さんとのこと、当時のミクニ気化器の実験室段階でのこぼれ話等、自分の思い出としても整理しておきたいので続けます。ポルシェと関係なくてつまらないという方もおられると思いますが、よろしくお願いいたします。
 来週は、ちょっとトキワさんはお休みして、「カーズ2」の話をしようと思っています。



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