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第275話 ポルシェ レストアのキモー2
全塗装をどうするか?
レストアのキモー2はクルマを全面的に直そうとするとき、全塗装をするかしないかについてです。
M−HOUSEでは基本的に『する』なのですが、オリジナルの塗装が一部残っていて一瞬迷うことがあります。しかし、残っているといってもルーフだけとか、左のフェンダーだけとかいうのが実際です。修理補修が行われた部分も、同じときに実施されたわけではなく、長い年月の中で何度か行われたことで右のフェンダーと左のフェンダーで色や肌が違ったりしているのが現実です。
実際のところ、最近の板金塗装屋さんは全塗装を嫌います。仕事量から見たら金額が見合わないのと、徹底してやればきりがないからです。保険の軽微な板金塗装で回していった方が効率がはるかに良いからです。
そんな事情から、オリジナル塗装が一部でも残っていると何とかうまい具合に整合性が取れないものかと、考え迷います。しかしいつもめぐりめぐって、結論は全塗装になります。
全塗装と結論が出てからも悩みます。ドアの内側、ピラーの内側、フロント、リアのフードの裏側はどうするのか?。フロントトランク、エンジンルームはどうするのか?。燃焼式ヒーターやクーラーのエバポが入る、入っている、いたトランク内ボックスはどうするのか?。アンダーボディーはどうするのか?。それら一つ一つに全体からの検討をして実施か否かを決めていきます。
例えば、トランクルーム内の塗装は実施すると決まったとします。ここの部分は年式によって仕上げが異なりますので、その準備をします。色は、肌は、厚みは、どの辺まで色が入ったようにするか(トランクルームが基本的にボディーと同色になった年式の場合)、そのためにどこまで部品を取り外すか、もちろんガソリンタンクより前は全部取り外しが原則ですから、迷っているのはタンクより運転席側の話です。トランクルーム内だけに限ってもまだまだ検討事項があります。書ききれません。
話を元に戻すと、クルマの全面的修理レストアにおいて、基本的に全塗装は『する』です。それに付随して検討しなればならないことは、膨大です。箇所箇所について、このシリーズのなかでそのつど触れていきます。
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