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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第277話 ポルシェ レストアのキモー4
内外装の社外品を使う場合の諸注意 後編

 今週はやっと本題です。だいぶ前から内外装に社外部品を使わなくては仕方のない場合が増えてきました。356は、以前からほとんどの純正部品が製廃になっているからか、内外装に社外部品を使用しているクルマを沢山見てきました。それはストッダードのパーツカタログを見ても、多数の社外部品の存在と充実ぶりから仕方がないことだ思っておりました。いずれ911も同じ運命をたどるのだろうなと考えていました。ここ数年で、まさしくその状態になってきました。そこで表題の内外装の社外品を使う場合の諸注意です。
 M−HOUSEの基本的考え方は社外品は使用しない、なのですが、ここ数年使わざるを得ないものと使わない(使えない)ものの二種類に社外品を分けています。
 まず外装のボディーパーツです。幸い今まで社外品を使ったことはありません。GRV品番であっても純正が存在する場合は、社外品は使用しません。話はちょっとそれますが、73RSのライトウエイトや500番までのクルマには純正といえどもGRVも使いません。
 GRVとオリジナルのパーツとでは同じ純正といっても細部の形状が異なります。使う場合はそこを確実に修正してくれるように板金屋さんにお願い、指示することが大切です。例えばフロントフードでいえば、ダッシュボード前の空気取り入れ口に始まるプレスラインの前側終了地点は左右均等でありません。バンパーデコレーション等は、社外部品も使えますが、やはり修正を加えながら使用するという感じです。
 使わない(使えない)ものの代表は、メッキのホーングリルとオーバーライダーです。これはどう加工してもきちんと付きません。同じ場所の部品とはとても思えません。さらに、ドアミラーは形状仕上げとも全く純正と異なり、M−HOUSEでは使用しません。バンパーエンドキャップとサイドデコレーションキャップも社外品は寸法が異なり、ボディー側で穴を開け直さなくてはならず、同じく使用しません。あと、ドアシール等ゴム類も社外品は使用しません。
 内装部品ですが、使わざるを得ないものがあります。ただ、そのまま付くものはないと考えています。加工しながらでも使わざるを得ないものは、フロアカーペット(寸法形状が異なる)、ヘッドライナー(白色のものがなかなかない)です。特にフロアカーペットは、縁を全部交換しないと出来上がりの感じが全くオリジナルと異なってしまいます。
 使わない(使えない)ものは、ダッシュボード、売られているレプリカシート、ドアポケットなどです。
 ざっとこんな感じですが、基本的には極力純正(中古および中古の再生修理品を含めて)を使わないと、オリジナルとかけ離れていくと考えます。大変ですが、ここで踏ん張らないと結果が出ません。

 次回は、機械、機関、機能パーツのアップデートの許容範囲を予定しています。



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