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第279話 ポルシェ レストアのキモー5
機械、機関、機能パーツのアップデートの許容範囲
このことに関しては、実に沢山のことがあります。全部は申し上げられませんので、ほんの一例をあげてみます。
基本的には、純正部品のアップデートはOKですし許容できます。もう少し詳しく見ると厳密なアップデートといえるかどうかわかりませんがオリジナルのものが製廃で後のものが改良されていてそれしかないものと、値段がそう変わらないのであればアップデートされたものにした方が良いというものと、予算、見た目に問題がなければアップデートした方が得策というものに分かれます。
オリジナルのものが製廃で後のものが改良されていてそれしかないものの例として、前後ウインドーシールドラバーやドアシールラバー(ただし風切音が出るので取り付けにノウハウが必要)があります。オリジナル重視の方は、何とか当時ものをつけたいところかもしれませんがやむを得ないと考えます。
値段がそう変わらないのであればアップデートした方がいいのではというものと予算、見た目に問題がなければアップデートした方が得策というものには、ショックアブソーバーやチェーンテンショナーなどがあります。
ただ、EX側のタペットカバーなどのように今となってはオリジナルのタイプは販売されていなくて、見た目材質が全く異なるものもあります。現実には多くの方が使用されていますが、こういった部分が増えれば増えてくるほど見た目と質感がオリジナルから遠ざかっていくと言わざるを得ません。
社外品の場合も、といいますか社外品の場合は基本的には厳しいと申し上げたい。例えば、スタビライザーバーやトーションバーなどです。形状その他がオリジナル純正と異なっていて、そのままでは取り付け不可能なものも多い上に、取り付けたことによってフィールが大きくオリジナルと変わってしまいます。
あと、仕方がないものの代表としてステンレスヒートエクスチェンジャーがあります。純正があまりに高価であるのと、実用上問題ないからです。ただ、中には工作精度の良くないものもあるので十分確認が必要です。
本当は一個一個のパーツに関して、リファインの箇所、やり方等を申し上げたいところですが、余りに多岐にわたりますのでお困りの方は個別にご質問ください。
以前カーマガジン誌で、生沢徹氏の69SタルガのAGでのレストアを拝見しました。機械としてクルマとしての機能性能安全性はさすがメーカーだけのことはあると感心しましたが、69年モデルとしてのオリジナル度はお世辞にも良いとはいえませんでした。そこから感じたことは、部品は当時ものオリジナルを使って、うわべだけではなくボディー骨格からオリジナル通りに作る(作り直す)ことをしないとダメだということでした。それは、恐ろしく高価になるということを意味します。
そのことから、使える現在入手可能純正部品と加工をしたら使用可能な社外品のことを考えてみました。
次回の「ポルシェ レストアのキモー6」は純正当時もの新品と現在入手可新品のどこが違うかの予定です。
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