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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第284話 ポルシェ レストアのキモー6
純正当時もの新品と現在入手可新品のどこが違うかの

 最近ナローの絶版パーツの再生産が多くなってきました。喜ばしいことです。それら再生産が開始された部品の具合が以外にいいというのもありがたいことです。
 ただ残念ながら、正確に申し上げると現在入手可能純正新品とクルマについているものとは違いがあります。ひとつ二つ例をあげると、前後ウインドーモールのつなぎ目を隠すジョイントモールあります。形、大きさが違います。現在入手可能なものの方が大きく出来ています。そのためピッタリ感に欠けるのですが、ジョイント部分だけ傷だらけのままというわけにもいかず、やむを得ず使用する部分ではあります。感じが変わってしまって困ってしまう意外な部品として、ウインカーレンズ(SWBはユニット)のシールゴムがあります。オリジナルと異なりそのまま交換すると、ウインカーレンズ(SWBはユニット)がボディーの内側に納まらず、飛び出してしまいます。これはそのまま使用できず、取り付け前の丁寧な加工、全体の調整が必要になります。この二つ以外にも、機能部品を除いてもダッシュボードのスピーカーのふた、アンダーダッシュ、ボディーデコレーションのメッキパーツの形状違いなどなど、ここで書ききれないほどの量があります。
 さて最も大きな問題は、現在購入できる部品が増えてきたからといってそのすべてを新品に交換してしまうことです。エッとお思いでしょうが、ある一定以上の部品を交換すると全体の印象が全く変わってしまいます。オリジナルに見えなくなります。アメリカでよく見かけますが、何万ドルもかけて徹底的にレストアしましたというクルマを見る機会があったら仔細に観察してみてください。申し上げたことが理解できるはずです。
 何が問題なんだ、ダメなところだから新品に交換するんだ、それも純正でとおっしゃりたいでしょう。どうすればいいのか?。それは、部品が新品だから純正だからと無条件で受け入れず、ひとつ一つの部品を吟味して、使える部品、加工すれば使ってもいい部品、純正といえども使えない使わない部品ときっちり区別して、徹底してオリジナルの取り付け方を踏襲することです。ボルトオンでリプレース出来ると考えず、一個一個丁寧に時間をかけて交換することです。気が遠くなるといってもいい作業をやるしかありません。

 次回のポルシェ レストアのキモー7は「メッキ部品の取り扱いと再メッキ」を予定しています。





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