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第289話 ポルシェの都市伝説!?ー1
年式と不一致『使われている部品と年式が合わない』
ポルシェはクルマなので都市伝説というのもどうかと思いますが、一般的には真意がはっきりしない話とでもご理解ください。
ポルシェのことで時々耳にすることがあるのが、年式と不一致『使われている部品と年式が合わない』というのがあります。
例えば、69年式のクルマで、本来マグのミッションケースのはずなのにアルミのミッションケースがついている。71年式のクルマのグローブボックスのキーはセンターのはずなのに70年以前と同じ左よりについている。などで、これらは事実そういうクルマが存在します。まあ簡単にいってしまえば、前年式の部品が残っていたのでなくなるまで使い切ってしまったということだと考えています。この手の例は枚挙に暇がないといっても差し支えありません。
そんな話の延長線上で、次のような話、おたずねがありました。シャシーナンバーがある年式の終わりごろのクルマなのだが、ついているものすべてが翌年の年式のものがついている。オーナーは、自分が買うときから、ポルシェではこういうことが時々あると聞かされていた。だから、なんら不思議に思わずずっとそのままきた、と。Sさんどう思いますかといわれました。
まず、ポルシェは翌年式の部品でクルマを作るか?。次に仮にあったとして、シャシーナンバーでどの辺からか?。さらに、そういった注文が事前にできたか?の三点をたずねられました。
私は実車は拝見していません。その上でこうお答えしました。
まず、ポルシェは翌年式の部品でクルマは作る。ただ、それは機能機械部品に限る。例えば、SWBはリアのガイディングアーム(いわゆるトーションプレート)が、すべて交換可のパーツだと一般的には思われていますが、67年の途中からブッシュ交換不可のタイプがメーカー装着されています。LWBからと思われているブシュ交換不可のタイプが、実はかなり早くから使われています。
次に、シャシーナンバーでどの辺からとのおたずねには、わからない。ただ、機能機械部品ではそのようなことがあったとしても、内装外装部品ではそのようなことはないと申し上げました。つまり、71年式のクルマには、Sバンパー(72年から)のクルマはない(後着けは別です)ということです。
さらに、そういった注文が事前にできたかですが、これも機能機械部品では例外的にできたといっていいです。例えば、クーラーは67年からのオプションですが、66年からファクトリー装着の例があります。
しかし、メーターやシート、表皮の種類、ハンドルの大きさなどの内装部品、ターンシグナルライト、デコレーション等の外装部品には翌年式の先取りといったようなことが、車全体でおこなわれるということはないと確信します。当時、いかにポルシェが小さなメーカーだったとしてもです。
都市伝説は、本当のこともあるが、全くのうわさに過ぎないこともある。一個一個の確認が大切です。それにしても、翌年式の内外装部品がすべてついているクルマが存在するという、世の中にはすごいクルマがあるもんだと思った一日でした。
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