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第290話 大きな人、懐の深い人
よく人物のスケールをあらわすときに、大きな人、懐の深い人といった言い方をします。先日テレビドラマのせりふで、「お父さんは大きな人、懐の深い人だから」というのがありました。
それを見ていてそんな風に思ってもらえる、言ってもらえる人っているんだなあと思いました。しかし、本当に『大きな人、懐の深い人』っているのだろうか?。大きくもなく、懐も深くない私にはどうも納得がいきませんでした。
もっと申し上げると、根っから生まれつき『大きな人、懐の深い人』っているのだろうか?。自分やまわりを見まわして、はじめからそんな人は本当はいないのではないかと思いました。もしそんな人がいるとしたら、無頓着か鈍感な人じゃないのかと。『大きな人、懐の深い人』は、生まれながらにごくごく少数が自然に存在するだけで、実際は勇気と同じように意識して鍛錬することで出来あがるものではないかと。
クルマにおける『大きな人、懐の深い人』とは、惜しみない愛情を注げるということですが、端的に言って『惜しみなくお金を注げる』ということです。
少しでも気にかかるところがあれば直しに出す、摩耗したところは限界前に交換する、期限のきたところは先延ばしにしないで手当する、劣化損傷摩耗が進行しはじめたところを放っておかない、交換する部品は安からといって精度性能の低いものを使用しない。これができる人が、クルマにおける『大きな人、懐の深い人』です。
それが出来れば苦労はないよ、ではありますが、やはり『大きな人、懐の深い人』を目ざさなくてはなりません。そんな人のクルマは素晴らしいです。しあわせです。
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