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第291話 キムタクのスピード違反
根底に本音社会の国から建前社会の国へ?
今日の新聞に、キムタクが昨年9月と今年の1月に二回続けてスピード違反で検挙され、事務所を通じて大人としてあるまじき行為をして申し訳なかったと謝罪したという記事が載っていました。私にはこの報道があることの象徴のように思えました。
突然ですが皆さんは、日本は建前の国、それとも本音の国どちらだと思っておられますか。多くの方が建前の国と思っているのではないでしょうか。確かに現在は建前の国です。
エッ、それっておかしくないですか、日本はずっと以前から建前の国ですよ、建前と本音を使い分けるから外国人にはわかりにくい国です、と思っておられるでしょう。そしてよく言われるのが、建前の日本と本音のアメリカという例えです。
実はそれが間違っていることを、二つのことからお話します。
まず脱税の捉え方についてです。脱税は悪いことですが、日本では税務署の調査で課税逃れが見つかると身内や知り合いの方は、ついてなかったね運が悪かったねといいます。もちろん本人もそう思っています。一方アメリカでは、誰かの脱税が判明しても皆が脱税は犯罪ですときっぱりいいます。バレて運が悪かったねなどとは決していいません。本人も、人には絶対についていなかったなどとはいいません。心の中で思っていてもです。脱税は悪いという建前を絶対に崩しません。
次に子供の保護責任についてです。日本でも幼児の保護責任は法律で義務が課せられていますが、両親が子供を車内に放置してパチンコに夢中になる、何日か家を空けるといった大事から、実際1、2時間子供だけを家に置いて買い物に行くというようなことは茶飯に行われています。子供が亡くなるなどの重大事にならなければ、パチンコに夢中であっても家を何日か空けたとしても逮捕されることはありません。ましてや、買い物で子供だけにするのは、暑かったり寒かったり雨が降っていれば、かえって連れて行かないのが正しいとさえ考えられています。一方アメリカでは、12歳までの子供は子供だけにしてはいけないという法律(多分12歳だったと思う)があります。例えば、子供が二人いて上の小学生の子供をスクールバスの停留所まで送って行かなければならないとき、雨や雪が降っていてもママは下の子を一緒に連れてバス停まで行かなくてはなりません。日本のパチンコの場合などはそれだけで逮捕です。バス停も下の子供が風邪を引くということを考えたら、短時間家に残して置くほうがいいように思えますが、連れて行きます。決められた通りに行動します。
日本は一見建前国家のように思われていますが、実は本音で行動しています。一方アメリカは、日本人のような奥ゆかしい遠慮などはしませんが、実行が困難なことでも法律や慣習で決められていることは建前通りに行動します。
本当は本音の日本、建前のアメリカなのです。多分、単一民族の国と移民の多民族国家の違いに由来していると思われます。
しかし、特にここ10年くらい前からこの現状が変わってきました。言い方はまずいと思いますが、今でも日本人の一般的意識としてスピード違反は運が悪かったというのがあると思いますが、最近は窃盗や暴力行為と同じような感覚で社会的に捉えられているように感じます。その象徴として、冒頭のキムタクの謝罪コメントを例にさせていただきました。本音社会の国から建前社会の国へ、そのことの是非実社会への影響などはまたの機会にしたいと思います。
キムタクの件の週刊誌報道によれば、そのときのクルマはシボレーだったとありました。いかにも彼が乗ってそうな感じがしますが、彼の奥さんが結婚前ポルシェをよくミツワの六本木に修理に入れていたのを知っていた私には、今はポルシェ乗ってないのかなと思いました。彼女のポルシェに関するちょっと面白いエピソードを思い出しましたが、ここには書けない感じなのでゴメンなさい。
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