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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第293話 最近だけどちょっと古いポルシェの話
先進国と新興国

 一ヶ月近くお休みして申し訳ありませんでした。
 最近といってもちょっと前に聞いた話です。
 G20や地球温暖化防止会議での先進諸国と新興諸国の対立というのは皆さんもご存知のことだと思います。同じようなことがポルシェの販売にもあるようです。
 中国のPC(ポルシェセンター)には、一店舗あたりの総販売台数の制限があります。えっと思われる方もいるかもしれませんが、それ以上売ってはいけないという台数が決まっています。台数は忘れましたが、確か一店舗あたり300台(500台だっかかな?)だったと思います。実際には全中国の総販売可能台数の合計の二倍位が登録されているようなので、いわゆる並行のようなものが正規と同数程度流入していると思われます。もしこの販売台数制限がなかったら、中国一国でポルシェの総生産台数を売り切ってしまうともいわれています。ただ、車種がすべてカイエンとパナメーラだったらというのはありそうですが。
 さて現在好調なBMWですがその理由のひとつに、SUVの充実があるといわれています。Xシリーズには1、3、5、6と4車種もあります。現在ポルシェもカイエンより小型のSUVを鋭意開発中なのは周知の事実です。中国の販売サイドは、この新型の小型SUVを全量中国に回して欲しいといっているそうです。全部売り切るからと。同じような希望は、ロシアからもきているそうです。
 一方日本を初めフランス、イギリスなどの国には、ポルシェから意識改革を迫られているといいます。ポルシェは欲しい人が買いに来る、選ばれた人のブランド、人生の成功者が手にするクルマ、そういった今までの考え方を捨て去りなさいと。ポルシェは誰もが買える買うクルマという、感覚、意識に変革しないと販売台数の増加は望めないと。
 かたや販売台数に制限をしなくてはならないほど売れる現実、かたやいかにしたらこれ以上の販売台数の増加が望めるかという現実、ことの是非は別としてこれが世界の現実です。
 日本は成熟した国として今後老成していっていいのか、日本人として考えることの多い話でした。



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