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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第297話 M-HOUSEの修理
 現在、私が見てきたなかでトップ3に入るクルマが車検で入庫しています。
 整備をはじめて、ある作動の不具合に気がつきました。詳しく診ると普段見えないところのパーツが壊れていました。小さな部品がなくなっていたために機能しなくなっていました。調べたところこのパーツは、幸運にも現在でも購入可能でしたが964以降のパーツと共通の新しいもので、ナローの頃とは色も形も全く異なるものでした。そして価格が10万円でした。
 さて、この修理に関してM-HOUSEでは三つの方法が考えられます。
  1. 964品番の新品パーツと交換する。
  2. 964品番の新品パーツを分解して、不足している部分のみを外してオリジナルのパーツに取り付けて修理する。
  3. M-HOUSEが在庫している、当時モノ新同左右セットの一つを使う。もしくはそこから部品を外して取り付ける。この方法は、修理後全くオリジナルと同じ左右に違いが出ません。
 皆さんならどれを選択なさいますか?。実は金額的にはどれも同じです。若干の違いはありますが。
 普通のショップさんやディーラーなら1以外には考えられないと思います。これが一番当たり前だからです。
 しかし、迷わずM-HOUSEでは2か3でいきます。40年以上フルオリジナルを保ってきた素晴らしいナローが、今後どこかで修理を受けたり、ずっと将来M-HOUSEが消滅した後で誰かがそこを見たとき、さすがオリジナルってすごいと思っていただけるようにです。それがクルマをすごいと感じて、大切にしてもらえるかどうかのポイントだからです。
 理解できない方も多いと思います。何んでそんなことするんだと。しかし、もし見えるところだったらどうでしょう?。アウタードアハンドルが片側だけマットブラックのものになる、ヘッドライトがH1とH4の組み合わせになる、5連メーターの内の一つが高年式のものの針やフェイスになる、そんなクルマでも何にも気になりませんか。
 M-HOUSEは、ここが重要と思われるところには時間も費用も度外視します。そこが、お客様と共有できなければ互いに不幸になるといつも考えています。かなり難しい店だと自ら思っていますが、お買い上げいただいてお届けするナローはこのレヴェルです。
 一度その仕事を、現実を、見に来てみてはいかがですか。共有できればですが。



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