ESSAY TOP

ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第303話 新東名
 先週末所用があって関西に行ってきました。
 開通してしばらく経ちましたが、行き帰りとも新東名を走ってみました。
 開業当初大きく話題になりましたが、それは道路そのものより、SA(サービスエリヤ)や近隣の町おこし、渋滞緩和といったことが中心に取り上げられていました。
 そこで、道路そのものはどうなのかと期待をもって出かけました。新東名は東名の渋滞緩和と東海道の二番目の動脈高速道路として、片側3車線の高規格道路として計画されたと記憶しています。
 第二東名(以前はずっとこう呼ばれていた)ができたら便利だろうなあと、渋滞している東名を走りながら何度思ったことでしょう。JCTのある御殿場が楽しみで東京料金所を通過しました。御殿場から新東名に入ってみると、半分は予想していたとはいえ予想以上にひどいものでした。
 というのも、小泉政権の頃、公共事業の抑制予算の縮小、新規高速道路の着工凍結工事中止が論議されました。当時あらかた完成していた新東名は、中止とはならず未完成部分の片側3車線を2車線にすることで工事続行になったと記憶しています。開通時のニュースで、3車線となるよう造られていた橋脚に2車線の橋桁を渡して、1車線分余っている橋脚の上空からの映像を見て、何とも無駄なことをしているなとがっかりしたからです。
 実際の道路は、10キロメートル強ごとに3車線と2車線が交互に現われるというものでした。そのためトンネル(先にできていたと思われる)は3車線用を2車線で使うという無駄を絵に書いたような、中心2車線の両側にもう1車線づつとれる余裕を残した構造でした。
 もうひとつ特筆しておきたいのは、上下全線のどこにもオービス(自動速度取締機)がなかったことです。見落としていないと思います。いずれ設置されるのか、ただ、いままで新設道路には開通時から設置されていることから、何か別の理由があるのかとも思いました。ご存知の方はお教えください。
 今回走った実感は、期待半分落胆半分の予想通りの結果でした。ただいつも思うのは、日本人は変わらないなあ、いつも(昔も今も未来も?)ダメだなあということでした。日本人の根幹に関わることですが、外交も戦争も原発も、そして道路も根本的に同じところに原因があるということを考えながら走ってきました。




GO TO TOP ▲