ESSAY TOP

ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第308話 東京都現代美術館
館長 庵野秀明 特撮博物館
(ミニチュアで見る昭和平成の技)

 たまたま近所にいたのと運良く時間ができたので、前々から気になっていた東京都現代美術館の企画展に行ってきました。
 以前から各媒体で告知されていた『特撮博物館』に興味がありました。
 ここの企画展は一昨年にはじめて行きました。スタジオジブリ作品『借りぐらしのアリエッティー』のアニメ世界を実物大、つまり私たちが小人になる大きさで再現したもので、大変すばらしいものでした。
 今回はどのような展示になっているのか全くわからないまま行きましたが、特撮映画のバックステージツアーのようなものといったらわかり易いかもしれません。



 中でもちょっとうれしかったのは、マイティージャック(MJ)のことが展示されていたことです。詳しくはみなさんに調べていただくとして、簡単にWikipediaを引用させていただくと、1968年(昭和43年)4月6日から同年6月29日にかけて、フジテレビで毎週土曜日20:00 - 20:56に放送された、円谷特技プロダクション製作の日本のSF特撮テレビ番組、ということになります。
 二つの点でMJがあってうれしかったのですが、一つは子供ながらにサンダーバードの日本版のように感じていたMJがあったこと再会できたこと。二つ目は、MJの副長として出演されていた南広氏が後に始められたサウス(制作プロダクション)に当時私の実家の会社がTVCFの制作をお願いしていた縁からです。15秒と30秒の2パターンでしたが、私もちょこっと出演していてその製作過程をずっと見て、細かいカットごとの撮影過程やストップウォッチを使っての小数点以下の正確な時間記録の取り方等映像制作の現場を体験できました。生まれてはじめてドーランを塗ったり、シーンのつながりに違和感が無いようタバコの長さを合わせたり、カチンコの合図で演技?を始めたりと驚きの初体験でした。そんな思い出があったのでMJは懐かしくじっくり見ました。


 展示に戻ると、若い人たちは1960年代や70年代初頭の作品に、知らないからなのかほとんど興味を示していないのが印象的でした。もし一般社会の出来事も同じ捉え方だとすると、過去の出来事を正確にそれを実体験してない世代に伝えることは、とてつもなく大切なことだと実感しました。
 写真撮影は許可されていなかったのですが、高速道路のミニチュアセットがあって、手前側のクルマは縮尺が小さく奥にいくに従って縮尺が大きくなっていくものでした。一番手前がブラゴの356Cのシルバーでいかにも60年代終から70年代初頭らしいと思いました。一番先頭はトミカより小さかったように見えました。
 添付したセットの写真はエバンゲリオンで使われたものとのことでした。なかなか感じが出ていたのでご覧ください。小さな民家はGANTZで使われたものとの説明がありましたが、出ていたような無いような記憶がありませんでした。
 今日はまとまりのない話でしたが、おじさんには楽しい午後でした。 



GO TO TOP ▲