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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第312話 社外なポルシェライフとは
あるクーラーキット取り付け記に見る憂鬱

 先日お客さまからあるサイトのアドレスをいただきました。それはプロの方がお客さまの依頼で社外のクーラーキットを取り付けていく過程をブログ風に書いたものでした。
 以前M-HOUSEでも、社外のクーラーが取り付けられていたナローを、純正のクーラーに取り付け直したことがあります。コンプレッサーだけロータリーにしましたが、それ以外はすべて純正部品を使うことで完了できました。それは実に大変な作業でしたが、その時のことを思い出しながらそのサイトを見ました。詳しくはサイトを見ていただければと思いますが、正直な感想を申し上げれば、M-HOUSEでは同じことは出来ない、しないというものでした。
 社外の部品は安いです。ポルシェのパーツは恐ろしく高価なものも多く、社外部品がどうしても魅力的に見えてしまいます。社外品に交換したところがごく少ないうちは大きな問題にならないと思いますが、その数部分が多くなる、交換後時間が長く経過する、とクルマ本来の良さオリジナリティー、性能が大きくスポイルされる、問題になると考えています。上記のクーラーの取り付けをやり直したナローも、冷えない風量が少ないという不満からでした。
 社外部品の方が手軽に手に入るのだから仕方がないじゃないか、社外品で十分だという方も多いと思います。クーラーを例にとると、社外品は取り付けにあたってボディーをはじめ各所にダメージを与える、使用しているとエンジン等に大きな負担をかけるといえます。一方純正はメーカー自身でネガな部分を最小にしようと考えて製造取り付けられています。だから高いともいえます。特に911のようなエンジンが後ろにあってコンプレッサーとエバポレーター、ファンが前と後に分かれる、そのためホースが前後行ったり来たりする構造のクルマはコンデンサーの数位置(純正は前後2箇所フロントは専用ファン付)も含めて社外品は厳しいといえます。
 控えめに申し上げて、社外品は安いけれどもその分問題になる部分も多くトータルで見て得にはならないと思います。社外品は価格差の分リスクを負うと考えるのが自然です。
 911は純正でクーラーの設定がありますから、それを取り付けるのが一番の近道ではないでしょうか。
 客観的に見て、社外なポルシェライフを送ってきたナローとディーラー整備(に準じたでもいいです)できたクルマを思い浮かべてください。皆さんどんな感想をお持ちですか?。



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