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第313話 レストアのキモー11
レストアにあたってのモディファイはどこまでOKか?
M-HOUSEのレストアはオリジナル、生産時の姿に戻すというものだということはもう多くの方にご理解いただいています。何台かお預かりしている全面的修復のご依頼も、M-HOUSEレストアの完璧な実現です。そんなオーナーの方たちの中にもクルマを徹底的に直すレストアする”この際”だから、いずれ好みに改造したくなるのだからと考えて、自分なりの希望にモディファイしてほしいと思っておられる方がいます。
そこで、レストアにあたってのモディファイがどんなところまでなら許容されるのか考えてみたいと思います。
みなさんの希望の多くが、機械的部分では、エンジンを大きくする(排気量アップ)、バルブを大きくする、ノーマルより大きなキャブにする、高回転カムにする、さらには純正より大きなロッキングファクターの社外のデフを入れる、足回りを強化する、ブレーキを純正のあとものもしくは社外のもので強化するといったものです。
ボディーや内装では、ドアのパネルをRSのライトウエイト仕様にする、リアシートを取り外してカーペットも含めてライトウエイト仕様にする、椅子(フロン卜シー卜)をバケットシート(純正、社外どちらでも)に交換するなどがあります。
こういった場合、二つの大きなポリシーを確実に持ってください。
まず機械的部分に関しては、置換交換する部品は、”純正を基本”とするです。取り付けにあたっての加工が最小限になり無理が少ない、もしかしたらメーカーが同じことを考えてもこうなるという結果が得られるからです。機械としての整合性や耐久性、部品の交換を含めた整備性が確保できるからです。もちろん見た目もです。
ボディーや内装に関しては、”自分が新車で購入したらどうするだろう”という視点で考えてください。新車で購入して、すぐにリアシートを取り外す人はなかなかいないでしょう。レースに出るのであれば別ですが。ドアパネルも古くなってどうしようも無くなったら簡易なものに交換するかもしれませんが、普通5年やそこらではダメにならないはずです。フロン卜シー卜も普通はいつでも元に戻せるようにと考えて、ノーマルをとっておいて、バケットなどに交換すると思います。
もちろんこれらのことは、M-HOUSEとしては勧めてはいません。というのも、モディファイの部分が多くなると、何をしているのかと自己嫌悪に陥りますし、仕上がったものにカッチリ感といいますか、オリジナルのオーラのようなものが出ません。まあ簡単にいうと、良く出来た改造車を作ったもしくは寄せ集めの車を作った感じになってしまうのです。
”この際”だからといって、費用や時間のことを考えて、できる限りのモディファイを実施しようなどと考えたりしないで、まずはオリジナルの再現をしてみてください。仕上がったオリジナルなナローを見たら、気持ちも変わるはずですから。
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