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第320話 久しぶりの奇跡
納屋ものロードスター走行1000Km未満1990年式
M-HOUSEのお客さまが、久しぶりにお見えになりました。
新車のような1990年式ユーノスロードスターでお越しになりました。
まあ簡単に申し上げると、今日納車になりました状態でした。
一見すると本当におろしたての新車で、エンジンルームを拝見して、今朝納車でそのまま乗ってきましたとお客さまが言っていましたと書き始めたいところです。が、当然そんな車が存在することはあり得ません。ではどういうことなのでしょう。
お客様によると、クラッチ、ブレーキ関係の全OH、ゴム類ホース類の全交換、タイヤの交換、ボディーの磨きコーティングを実施したとおっしゃっていました。
その実施の方法が実にM-HOUSE的なのでした。ホース類のクランプはすべてオリジナルを再使用しており、全ホース類を交換しているため全くの新車状態なのです。全てのホースゴム類に違和感がなく整合性が取れているのでどこを交換したのか全く判別できないのです。この車を買われた時は、どのホース類も痩せたりくびれたり縮んでいたと推察できますが、このような交換を実施すると、普通の人には低走行のワンオーナー車はずっとこういう状態を保ってきたものだと思えてしまうのです。しかし実際には25年近くの時間を経過して、ホースゴム類がくびれたり縮んでいない状態を保っている車など存在するはずもなく、正確には走行1000Km未満のこの車の状態と整合性を取ったというべきなのです。
この時社外のホースや部品、クランプの一部でも汎用品を使用したりすると、きれいだけどいろいろなことがされているねこの車という印象になってしまうのです。そこの違いが認識できる方は少ないです。
この一連の部品交換修理は、オーナーの確固とした修理の方針と意思、実施する方のかなりの慣れと技術、センスを必要とすることを申し上げておきます。素晴らしいお仕事でした。
この車に実施されたことは、見方によれば病的という言い方をされる方もいるかもしれません。しかし、ここまでしなくてはいくら1000Km未満の車でも『今日納車になりました状態』にはならないのです。
40年以上を経過した走行が数万Km、もしくはそれ以上のナローを工場出荷時の新車状態に復元するということは、先ほど申し上げたような作業が鈑金塗装からはじまり内外装機関機械部分全てにわたるわけです。M-HOUSEが日々何をしているのかご理解いただけるのではないでしょうか。
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