ESSAY TOP

ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第326話 今年も8月15日
 今、スタジオジブリ作品「風立ちぬ」が公開されています。零戦の設計者として知られる堀越二郎氏の物語です。日本人なら誰でも知っている、第二次世界大戦時の戦闘機です。零戦以外にも、隼、戦艦大和や武蔵、日本に育った者なら皆知っています。
 数年前中国がロシアから購入した空母を改装して完成させ近々実戦配備させるというニュースが話題になった時に、元陸上自衛隊北部方面総監であった志方俊之氏がTVで、航空母艦を持って空母機動部隊を編成運用するのは膨大な訓練とノウハウを必要とし、一朝一夕には出来ない。空母機動部隊を所持運用している、していたのはアメリカ海軍と旧日本海軍の二つのみだといっておられたのを拝見しました。
 このTVを拝見する前にも、第二次世界大戦前に日本が作っていたもので私たちが当たり前に思っているもの、例えば蒸気機関車や大型客船、上記以外の潜水艦などの兵器も、当時世界の中で作ることができたのはアメリカとヨーロッパの国々を除けば日本だけ、もちろんアジアにはどこもないということには気がついていました。
 どうしてそんなことをあらためていうの?という方もおられるかもしれません。しかしこのことが第二次世界大戦時の日本全土に対する、未曾有の無差別大爆撃空襲を実施させたことにつながっていると思っているからです。
 明治維新以来約70年で、日清戦争、日露戦争を戦い抜き、無資源国にもかかわらず自前でアメリカヨーロッパ製と同等、もしくは一部凌ぐ戦闘機はじめ、戦艦、空母、潜水艦まで製造する国、民族に対して恐れに近い感情を持たれていたのではないかと考えています。だからアメリカでは、法治国家では考えられない暴挙、日系人の強制収容所隔離が行われ、日本本土には原爆投下まで実行されたのだと思います。しかも、日本が降伏しない場合さらなる日本主要都市への原爆投下の計画があったのは周知の事実です。
 こうして見ると当時の日本、日本人は、数年前にブッシュ大統領がいっていた悪の枢軸の親玉みたいに思われていたのでしょう。しかし、私たちがそのような民族でないことは私たち自身が一番よく知っています。
 日本、日本人は、私たち自身が好むと好まざるとにかかわらず、世界に多大な影響を与えるものなのだと考えたほうがいいように思います。身近な例を一つ上げれば、漫画アニメ文化があります。意図していなくても、世界に広まっています。
 だから日本人として自らの信じるところを進んでいけば、必ずや世界に良い影響をもたらすことが出来ると、今年の8月15日はあらためて確信しました。



GO TO TOP ▲