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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第340話 BMW3シリーズはE46から
1台のE46の退役

 9年前に出会いました。友人に頼まれて、BMW323i(エンジンは2.5L)の中古を探しました。正確には、濃い目の色(サファイアブラック)のスポーツパッケージ仕様が希望でした。
 この友人は、E34の525i、E36の325iスポーツパッケージを乗り継いできました。私は5シリーズを薦めましたが、大きいのは嫌だということ、2.5L以下のBMは走らないからダメということで、E46の323iを探すことになりました。
 探し始めましたが、色と仕様を限定した低走行の中古車を探すのは難しいことです。しばらくして、2000年式(5年落ち)の11000Kmのスポーツパッケージ仕様が出てきました。ただ、色がチタンシルバーと唯一希望に添いませんでした。友人は、色は我慢すると言いました。そこでM-HOUSEのレベルで、このクルマを手がけることになりました。友人なので、特別に無償で全てしてあげることにしました。
 相手の業者からクルマを引き取り帰るところで、はじめて運転しました。走行距離はごく少なかったものの、納車にあたっては一通りチェックをするために正規ディーラーに持って行きました。それ以外に、ごく一部の塗装の手直し、前後フードエンブレムの交換、ボディー磨きコーティング室内清掃、リアウインドーのBMWジャパンのステッカーを新品に張り替えるなどを、名義変更と平行して実施しました。これでほぼ新車状態に戻るクルマでした。
 これらのことを実施する途中で、高速に乗ったりとこのクルマのインプレッションもできました。まず驚いたことは、ボディー剛性が格段に上がっていたことです。
 E30に乗っていた私は、剛性の無さにうんざりしていました。見た目がこれがドイツ工業製品ですと言わんばかりのE30の、BMW3の、余りのヤワさ加減に私は完全なダメを出していました。残念ながらこのことは、M3でも全く変わらいということです。E30のM3に乗った方がM-HOUSEにお見えになったことがありますが、恋焦がれて手に入れられたようで、そして他のBMWをご存知なかったようで、私のE30の剛性不足の指摘にえらくご不満のようでした。
 それ以前に、E36の325iにしばらく乗る機会がありました。その時の印象は、新型になったといっても、E30と変わらず剛性が無いというものでがっかりしました。
 その記憶からして、E46のしっかり感は感動ものでした。外から見て、サイドシルとCピラー下の幅広さ加減からある程度の想像はできましたが、正直これなら買ってもいいと思いました。さらに、現在から見ればプリミティブに過ぎないと思いますが、トラクションコントロールが装備されていたことです。かなりのオーバースピードでコーナーに突っ込んでも何の怖い思いもなく通過してしまうのはもうひとつの感動でした。後年、アルピナのB3のMTを本気で買おうと思ったほどでした。
 そんなE46前期ものが退役すると聞きました。頻繁にゴルフに行く友人なので、9年間で25万Kmを超えたということでした。大きなトラブルもなかったと喜んでいました。私も納得のいく一台が届けられて、間違ってなかったと安堵しました。この323iも愛すべき『クルマ』の一台です。お疲れさまでした。




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