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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第345話 2015あけましておめでとうございます
 毎度の書き出しで恐縮ですが、エッセイの更新がほんと滞りがちで申し訳ありません。
 今年は、年賀状をお出ししていないので楽しみにされていた方は、重ねて申し訳ありません。
 昨年は、まあ忙しかった年で、M-HOUSE以外の仕事が多忙を極め、頼まれたボランティア活動で新たな組織を立ち上げたり、個人的には自宅が隣家からの出火で全部ではないものの類焼して転居を強いられたりと、実にめまぐるしい一年でした。
 M-HOUSEについて言えば、なんといってもナローの高騰があります。M-HOUSEのお客様の中からクルマを売りたいという方がお二方おられました。お二人が希望された金額は、お二方なりによく考えられた金額だったと私は思っておりますが、それを購入希望の方にお伝えしたところ、あまりに相場とかけ離れていると一蹴されて成立しませんでした。
 確かに一見すると、かなり高額との印象がありましたが、お二方ともM-HOUSEのナローを複数台所有されている方で、その価値を十二分に理解されている方の希望金額は、いわゆる相場のはるか上の価値があると理解されている、ということだったと思います。
 たぶん、購入希望の方々もお買いになられていたら、高かったけど高くなかったと購入後に気づかれるはずと私も確信しています。こんな言い方も失礼とは思いますが、購入希望の方々は折角のチャンスを逃されたと思っています。M-HOUSEのお客様が手放されることはほとんどないのですから。
 年の初めからお金の話になってしまいましたが、ナローは高騰しています。今年は、毎年言っていて自分でも興ざめですが、なるべく多くのクルマを仕上げたいと思っております。
 もうひとつ、昨年驚いたことは、M-HOUSEの部品在庫の種類、量です。自分で買ったのですから、今更驚くのも変ですが、こんな物がこんなにいっぱいあるのというくらい出てきました。
 まあ、肯定的に言えば先見の明があったなあとも思いますが、私の代で使い切れないとも言えます。最近ポルシェで部品の再生産がかなり多くなってきましたが、やはり昔のというか、当時の生産の部品は明らかにモノが違うとも感じました。
 ナローを取り巻く環境は、ポルシェの姿勢もあって好転してきているとも考えられますが、本当の60、70年代が再現されていないとも感じています。言ってみれば、現在明治の初期を知っている方がいない中で、明治維新のドラマが書物や伝聞で作られているのと同じような状況だと思っています。当時の人が見たら、確実にこれは違うと違和感を覚えるはずです。
 リアルに60、70年代を生きてきたものとして、体験したものだからこそ再現できる本物のナローを提供する、今年も継続していきます。




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