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第49話 映画の中のポルシェ-4
「スパイゲーム」のグリーンのナローは何?(番外編)
当初第49話は「映画の中のポルシェ-4」の予定ではなかったのですが、急遽番外編を書くことにしました。
何人かの方から912レジストリーのアドレス
http://www.912registry.org/history.htm
をお送りいただき、そこから私の見 方の正しさが確認されました。そのこと自体は特別取り立てて申し上げることではないのですが、912に乗っている方が結構おられること、複雑な思いをしてる方 も結構おられることがわかりました。そこで、912とはどのようなものなのか、 356のエンジン(といっておきます)を搭載して911の形をしているクルマについてお話しておく必要があると思いました。
まず、どのようなものなのかという前に912の一般的なイメージをおさらいしておくと、911の廉価版、911より軽い操縦性がいい、911より遅いといったものでしょう。気付かれたと思いますが、それらのすべてが911よりと、911との比較で語られています。それはポルシェが意図したことでもありますが、そのことが912オ−ナーを複雑な気持ちにさせている根源的な理由です。今日はM−HOUSEが912の真の姿をお伝えしましょう。
- 356や911、928がポルシェであるように、912も紛れも無いポルシェです。
- ボディーが同じなので、もし911のネーミングが9112.0T 2.0E 2.0Sのようになっていて912のネーミングも9111.6T1.6Sというような排気量別になっていたら今ほど別のクルマとは思われない筈です。
- 912は912とひとくくりにされますが、そうでしょうか?。911がSWBとLWBの違いや内装、ホイールの違いがマニアックに語られますが、912にも同様の違いがあります。
- 911の廉価版といわれているので、911より維持費がかからないと思われていますがそうでしょうか?。特にエンジンンが4気筒であること、VWのエンジンと同じないしは同様のものなのでVW用社外パーツを使うと安くて済むと思われていますが、VWとポルシェは別物でありポルシェ純正パーツをきちんと使えば維持費はポルシェ価格になります。
ざっとあげて見ても912はリアルポルシェそのものです。だから、912オーナーが複雑な気持ちになる理由はないと言えます。
外国に行くと面白い912を数多く見かけます。特にイギリスに多いように思いますが、それはボディーを改造して6気筒エンジンを搭載した912です。912/6(914/6風にいえば)ともいうべきクルマです。これらは何を物語っているのでしょうか?。実は外国にも「912オーナーの複雑な気持ち」が根強く存在しているということです。その解消策が912への6発搭載です。
912は常に911との比較で語られます。それは先ほども書きましたが、ポルシェが意図したことであります。その呪縛から逃れる究極的方法は、自分の912をよく認識することです。仮に911が買えなくて912を買ったとしてもその912に十分な満足があれば呪縛から開放されます。だから、維持費を安く上げようとして品質の十分でないVW用社外パーツなどを使わずに純正を奢ってあげてください。手をかけてあげてください。そこにはあなただけの912ワールドが存在している筈です。
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