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第51話 PORSCHE病の症例−1
S症候群(通称S病)の報告
第49話を読まれた912オーナーの方から、「912を売ろうと思っていましたが持ち続ける決心がつきました」、「912であることに自信が持てました」など何 通かのメールをいただきました。何かお役に立てたのであれば良かったです。
さて、912オーナーの気持ちと一脈通ずるものがありますが、S症候群(通称S病)というのがあります。こんなことを聞いたことがありませんか?。
- 911は腐ってもSだよね。
- TとSの2台を見たんだけど、Tの方が程度が良かったのだけどやっぱりSの方が後々いいと思ってSにしたわ。
- Sが出たんだ、今持っているTより問題多そうなんだけど買おうと思うんだ。
- Sはいいよねー、オレのはTだから。
- Eがいいっていうけど、Sがほしいー。
などなど、S至上主義ともいうべき数々の話です。
それではSって何でしょうか?。良くいわれることを列挙してみると、
1、一番速い 2、パワーが一番大きい 3、専用パーツが使われている 4、TOPモデルだから
細かくいえば
5、圧縮比が高い 6、バルブ径が大きい 7、年式によってボディーがアルミで軽量化されている
などでしょうか?。
まあ今挙げたことは皆正しいと思いますが、1の「一番速い」というのがその核心でしょう。確かにSはEやTに比べると速い(ここでいっているのはS,E,Tが皆イコールコンディションとして)ですが、すべてのナローオーナーにSの速さが必要なのかといつも疑問に思っているのです。実は、こんな話があります。
その1 Sに乗っているあるオーナーの話
ボクは160K/m以上は出さないから、だって30年もたったクルマだから。
その2 Tに乗っているあるオーナーの話
ボクは4000rpmくらいしか上げないのですが、だって十分乗れるし速いので、Sも2.4なら4000も回せば十分ですよね。
話の内容の是非は今回問いませんが、このような方たちにSは必要ないと思うのです。外野からポルシェも必要ないという声が聞こえてきそうですが。
その3 迷った挙句Sを買ったオーナーの話 ボディーに錆があって問題が多いとわかっていたのですが、徹底的に一度ボディーをやれば大丈夫だと思って程度の良いTを買わずにSを買いました。
私がそのSを拝見した時に思ったことは、とてもそう申し上げられませんでした。シャシー#はSでも朽ちているものはどう考えてもダメだ、直らないと。
さて、いくつかの例をお話させていただきました。この病の厄介なことは、理屈では腐ったSよりまともなTであることは分かっていても目の前にSが現れるとSに惹かれてしまうことです。実に厄介なことです。その結果ぼろい、くたくたのSが今も走り続けています。もしかしたら、一度感染して痛い思いをしなくてはこの病から生還できないのかもしれません。
M−HOUSEとしては今度究極の処方箋を開示しなくてはと考えています。
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