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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第60話 ポルシェな人々 その32
ポルシェにまつわる様々な人々の、本人にとっては誠に真剣な、はたから見ていると実に楽しい愉快な生態をシリーズでお話ししましょう。

あるポルシェクラブの思いでー1

Nさん古いポルシェマガジンを持ってやってきました。
Nさん「ここに出ている911ナローポルシェ・クラブって知ってる?この募集の告知の出ている」
S代表「ええ知ってますよ、私も入会させてもらっていましたから」
Nさん「ボクも入りたいんだけどな」
S代表「それは無理です、今は活動していませんから」
Nさん「どうして?」
S代表「そこに書いてある発起人の方から、休会にするという連絡があってからそのままです」
Nさん「Sさんその時M-HOUSEの看板上げてた?」
S代表「いえまだ、全然一般の人でしたよ」
Nさん「それどんな会だったの?」
S代表「年1、2回集まって、ワインディングロードを走ってお茶飲んで楽しくおしゃべりするって感じでしたよ」
Nさん「へー、楽しそうだな」
S代表「私は楽しかったですよ、いつも集まりが待ち遠しかったですから」
Nさん「どんなクルマの人がいたの?」
S代表「もちろんナローが中心だったですが、3.2カレラの人とかもいたかな。理由は忘れましたけど、355で来ていた人もいたなあ」
Nさん「どんなナローの人がいたの?」
S代表「ナローは65年から73RSまでみんないましたよ」
Nさん「へー、そんな会だったらボクも入りたかったなあ」
S代表「もしあのまま続いて行けていたら、日本の『Early 911 S registly』のような会になっていたんではないかなあと思うことがあります」
Nさん「それすごいじゃない」
S代表「そうですね」
Nさん「その発起人の人に再開するようにいってもらえないですか?」
S代表「年賀状のやり取りはしていますからいえないこともないですけど、大分前に何度か再開しましょうと申し上げたことがあるので今またいってもどうでしょうか」
Nさん「でも、募集告知に書いてある内容からしたら、とても簡単にやめられるような意気込みじゃないですよ」
S代表「確かにそうです。当時私も入会にあたって、ある人に相談したら意気込みはいいけど、どんな内容か良く調べた方がいいよと批判的なことを言われたのを覚えています。もっとも、私はナローの人と集れるのならそれでいいと思っていましたからその批判は気にしていませんでしたけど」
Nさん「いろいろあったんだ。でも、あの意気込みからして尻つぼみなのはいただけないけどなあ」
S代表「まあ、会の責任者としていろいろあったんじゃないですか。外からは伺いしれないことが」
Nさん「それって、自分が出来ないのであれば誰か代わりの人に代表になってもらうことだって出来たんじゃない?」
S代表「まあそう批判的なことはいわずに、また再開するかもしれないし」
Nさん「ほんとかなあ?ところで、何度か集まりに出てどうでした」
S代表「どうでしたって、何を言えばいいんですか」
Nさん「どういう感じだったのかなって。ナローがいっぱい来て」
S代表「確かに5台6台、多い時は10台以上のナローが集まっていっしょに走ったり、駐車場に止めて見たりするのは壮観だし、それは楽しかったですよ」
Nさん「いいなあー。他に何かありました?」
S代表「走っているナロー見る機会があまりないでしょう、だって自分は走っているので自分のナローは見られない訳だし。ナローを運転しながら走っているナローが見られるのがすごく楽しかったですね」
Nさん「それうらやましいな−。他のナローはどんな状態だった?」
S代表「そうですねえ、オリジナルを保っているものが少なかったのとみんな全般に整備してなかったですね。ボクなんか整備していないのはダメですから、すごく気になりましたね」
Nさん「それってSさんの厳しい眼で見てですか?」
S代表「いやそんなんじゃなくて、ぱっと見てロータ−がえらく磨耗しているとか、エンジンからわっと驚くほどオイル洩れしているとか、アイドリングがやたら低いとかそんな外からパッと見て整備してないなというものですよ」
Nさん「そうですか、ボクはSさんの厳しい眼で見て、ここがオリジナルでないとか、パーツが欠品しているとか、社外の部品が付いているとかそういう細かいところを言うのかと思いました」
S代表「いえいえ、そんなことをいったら私のを除いて1、2台以外は全部アウトですから」
Nさん「うぇー、そーなんだ」
S代表「私は人の持ち物をとやかく言うつもりは全然ありませんでしたし、今もありませんが、覚えているクルマの方は、オリジナルでない色、正しく言うと元色と同じ色を塗ってあるというけれどもこんな色ある?てなクルマで、ご本人はこんな程度のいいクルマを安く手に入れられたと自慢していました。パッと見ても、ドアの内側のポケットは4つとも全然付いていないし、バンパーのデコレーションは取ってしまっていてRSライト風だ言っていましたが同じく全然付いていませんでした。エンジンルームにも欠品があって、どうしたのか尋ねると機構がどうなっているのか見たかったのと掃除しようと思ってバラしたら壊しちゃったと言っていました。そういったことは、ナローの世界では当たり前らしいと当時気が付きましたが、そんなんでいいのかと疑問に思ったことも確かでしたね」
Nさん「ボクなんかSさんと同じで、付くべきものは付いてる、付いているものはきちんと作動するとなっていないと気が済まない方なんで、そういうのいやですね」
S代表「実はそういう方少ないようですね。たぶん費用の問題とかがあるんでしょうけど」
Nさん「いやSさん、ポルシェに乗るっていうことは、ましてやナローに乗るっていうことは、いろいろな雑誌書物にも書いてある通りお金がかかるということでしょう。それは承知で買っている訳でしょう。」
S代表「まあそうですが、ナロー界の実体はそうではないようです。今までの私の経験から見て」
Nさん「自分のクルマなんだからちゃんとお金かけて欲しいですね。あとどんなことがありました?」
S代表「Nさんもう12時ですよ。もう今日は帰りましょうよ。明日もあることですから」
Nさん「あっほんとだ。Sさんところに来るといつもこんな時間になっちゃいますね。その頃の話、今度また聞かせてください」
S代表「それでは帰りましょう」

続く


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