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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第61話 ポルシェな人々 その33
ポルシェにまつわる様々な人々の、本人にとっては誠に真剣な、はたから見ていると実に楽しい愉快な生態をシリーズでお話ししましょう。

あるポルシェクラブの思いでー2

忙しいといつも言っているNさんまた週末にやってきました。
Nさん「こんにちは」
S代表「あ、いらっしゃいませ」
Nさん「またあの911ナローポルシェ・クラブのこと聞かせてくださいよ」
S代表「この間お話したことぐらいですよ」
Nさん「そう?、ところで情報交換の場として役に立ちました?」
S代表「そうですね、私はあまり役に立った感じはありませんでした」
Nさん「それってどうしてですか?」
S代表「私の場合は三和であったり他も信頼出来るところをすでに知っていたので、修理、メンテという面では参考になったことはなかったですね」
Nさん「そう。パーツではどうでしたか?」
S代表「パーツも私の方が現物、情報共に豊富だったので参考になりませんでしたね」
Nさん「やっぱりSさん前からすごかったんだね」
S代表「いえそんなことはありません。ただ反省を込めて言うと、仲間うち情報の誤り、誤りと言わないまでもあまりに稚拙な情報がまかり通っていた感はあります」
Nさん「それはどういうことですか」
S代表「私は会当初より少し後から参加したのですが、私が参加する前に話されていた社外パーツの互換性などの内容が間違っていたことがありましたね」
Nさん「ボクも他で見たことがあります。会の管理者の方が、自分の経験からあるポルシェショップをメンバーの方達に推薦していたのだけれども、そこでやった自分のナローの修理のずさんさが他のところで露見してそれ以後そのショップについては触れなくなったという話を見たことがあります」
S代表「それほどひどいことはありませんでしたが、一般的に同行の志の集まりには互助会的側面がありますので会の責任者には影響力があるということを自覚しなければいけないと思いますね」
Nさん「ボクの見たところでもナローに関して相談に乗りますと書いてありました」
S代表「仲間の情報、サジェッションはショップなどの業者と違って、商業的でないと考えられているので、信憑性が高く、信じるに足ると考えられていますが、逆に何の責任もないのです。だから、聞いた通りに何かをして、返ってクルマを壊すことになっても持って行き場がないのです。自分でしたことですから」
Nさん「うーん、自分で直す人には、向いている人とそうでない人がいるとSさんに聞いたことがあるけど、誰かが直したとか聞くと自分でもやりたくなっちゃうんだよね。また出来る気がするんだよね」
S代表「そうですね、その辺の見きわめが自分で出来る人はいいのですが」
Nさん「ボクの見たところなんだけど、会の管理者が会員に妙に気を使っている気がするんだけどうでした」
S代表「どういうことですか?」
Nさん「管理者の人は割合オリジナル肯定派なんだけど、会の他の人が修理の常識から考えたらえっと思うような修理や改造をしても何も否定的なことは言わないで賛意まで示している。言ってみれば、会議で納得出来ない意見に、不本意だけど愛想笑いをしながら賛成しているって感じなんですよ」
S代表「その会のことは知らないですが、おっしゃりたいことは良く伝わってきます。そこは重要なところであり、難しいところですね」
Nさん「そこを譲ったら、ナローとしては同行の志かもしれないけど本質的なところで志が違うんじゃないかと思うんですよね」
S代表「あの911ナローポルシェ・クラブでも会長さんは大変だったかも知れませんね。私はオリジナルがベストだといつも言っていましたし、理にかなわない修理や改造、パーツの取付け、壊れたままの状態の放置はダメだといつも言っていましたから。もちろん私のように考えない人、考えても出来ない人もいた訳ですから、勢い間を取り持つという感じにはなっていたかもしれませんね」
Nさん「へー、やっぱりSさんらしいや。今、Sさんそこが重要で難しいって言ったけど、志が違うとは考えなかった?」
S代表「当時の私はそうまで考えませんでしたが、今のNさんから伺ったお話ではそうかも知れません」
Nさん「だから、ボクは会の会長さんや管理者の方は、きちんとした基準、例えば修理に関していえば、修理の基本から逸脱したもの、もっと具体的にいえば、金属のブラケットで留めなくてはいけないところをタイラップをきつく締めて代用するといったものは断固否定するといった見識が必要だと思いますよ」
S代表「何だかNさん、私の言うようなこと言うな」
Nさん「だんだんSさんに洗脳されてきたかな」
S代表「また人のせいにして。でもNさんが言ったこと重要です。みんな一人ではつまらないから、仲間をつのって会を結成するわけですから。その言い出しっぺというか責任者の方は、会の維持拡大のために自らの志と違ってまで迎合してはいけないと思います。もともと仕事ではないのですから。妙な妥協をせずに自分と同じ考えの人とだけでやっていったらいいと思いますけどね」
Nさん「今日は何か意見が一致したなあ」
S代表「付け加えるとすれば、10年前のあの911ナローポルシェ・クラブの頃と違って、今はみなWeb上で手軽に参加出来るようになったので同行の志も集まりやすくなったといえます。ただ、あやまった情報の拡散も瞬時に広範囲になった訳ですから、会長さんや管理者の方の責任はより重くなっていると思います」
Nさん「Sさん今度ナローで走りに行く時誘ってね。それから、911ナローポルシェ・クラブの発起人の方に会う時があったら是非初志貫徹してくださいと伝えてください」
S代表「了解です」
Nさん「じゃあまた来ます」
S代表「ありがとうございました」

Nさん帰られました。10年前のあの人たちどうしているのかなあとちょっと懐かしくなりました。


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