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第67話 ポルシェな人々 その38
ポルシェにまつわる様々な人々の、本人にとっては誠に真剣な、はたから見ていると実に楽しい愉快な生態をシリーズでお話ししましょう。
困ったやつ、食えないやつ
表題のような言い方をすると大変失礼なのですが、うちにお越しになる連絡してくる方達の中にはそう言うしかない方が残念ながらいます。
先日関西の方のポルシェショップの代表の方(仮名、Gさん)から電話がありました。
「今、うちにクルマを買い取って欲しいという電話があって、そのクルマのことを聞きたいんですけどSさん今いい?」
私
「いいですよ」
Gさん
「先日M-HOUSEさんに行ってクルマを見てもらったのですが、Sさんがなかなかいいクルマですねと言ってくれたと言うんだけどどんなだったですか?年式は○○でグレードはSで色は××なんだけど?」
私
「そうですか?ちょっと待ってください・・・・・、それ知らないなあ。ほんとにボクが見ていいって言ったんですか?」
Gさん
「××色の○○年のS、見たこと無いですか?」
私
「いやー知らないなあ・・・・・」
ここで一旦電話は終わりました。私はメカニックのTさんにこんなクルマ知ってる?年式は○○でグレードはSで色は××なんだけど?と聞いてみました。
メカニックのTさん
「それってこの間ボクが話をしたクルマじゃないですか」
私
「?」
メカニックのTさん
「××色の○○年のSですよ、決していい状態ではないし、現状の塗装の下がかなり心配だってお話したクルマですよきっと」
私
「そう言えば聞いたような気がするけど、それって、ボクが太鼓判を押せるようなクルマじゃなかったよね」
メカニックのTさん
「そうです、問題は山積していますよあのクルマ。ただ、ストレートにそうは言えないので、これからやるところは沢山ありますが、ひとつひとつ解決していったらいいクルマになりますねと答えましたよ」
私
「その人、ボクがいないの知っていたよね」
メカニックのTさん
「もちろん今日はSはいませんがと初めにお伝えしていますよ」
私
「その人GさんのところにM-HOUSEさんにいいクルマだと太鼓判押してもらったので、買い取ってほしいと言って来ているんだよ」
メカニックのTさん
「Gさんには事実をお伝えするしかないですよね」
私
「事態は飲み込めました。困ったやつがいるね」
メカニックのTさん
「ほんとですね」
私はGさんに電話をかけてことの次第を話しました。
Gさんが
「Sさんがいいクルマだとほめてくれたクルマだから、いいクルマですの一点張りなんです。事情はわかりました。ありがとうございました」
私は、こんな話が私の知らないところで話されているのかとあらためて気づかされると同時に、何でもいいから私に直接確認して欲しいと思いました。
『ほんと困ったやつは、あなたのお知り合いの中にも必ずいます』
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