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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第74話 シンドラ−エレベーター事故で思うこと
シンドラ−エレベーターの事故のことは、改めて触れる迄もなく多くの方がご存知だと思います。
いずれ事故原因究明のときに保守メンテナンスの会社のことが問題になると思いますが、何か外車の整備と同じように感じたのでエッセイに取り上げてみました。
以前はエレベーター設置後はそのメーカーの子会社が保守メンテをするというのが一般的でした。というより、パーツを保守子会社以外に供給しないために独占状態になり、メンテ費用も当然として業者主導で高いものでした。それが所謂規制緩和というのか近年パーツの供給が他社にもされるようになり、メーカー保守子会社以外がエレベーターの保守点検をできるようになりました。シンドラー社はそのことを指摘して、自らには責任がないという主張をしているようです。ただ、シンドラ−社の本体?子会社?、どちらか知りませんが、今回の事故現場以外で関係のあるところが保守管理していても事故は起きているようなのでその主張は意味をなさないように思えます。
ただ、重要なのはどこがだれが修理をしても、一定の資格者が行えば同様な結果が得られるという考え方に基づいているということです。
前置きが長くなりましたが、エレベ−タ−の保守管理だけでなく、自動車の修理も同様に考えられている節があります。例えていえば、69Sでも正規ディーラーであるポルシェセンター○○にもっていけば、得体のしれないM○○スというポルシェショップにもっていくより、たとえ高くなっても責任をもって修理してもらえる、その方が確実であるといったものです。
果たしてそうでしょうか。私のミツワでの経験ですが、ガソリン代の請求で4万円を超えたか超えないかというのがあったのを記憶しています。それはエンジン調整、メカポンの調整にそれだけのガソリンを使うほど走った、また走らないと調整が出来なかったということを意味しています。その時は、こういう古いタイプのクルマの調整だから普段あまり、もしくは全然触ったことがないのだから仕方がないと思うと同時に良く詰めてくれたと思ったくらいでした。しかし、今、うちのTさんは初めて手掛けるメカポンのクルマでも走る前に調整して、走ってその結果を確認するといった感じで、満タンに相当するような量のガソリンを使ったりしません。
要するに、出来る人には出来るし、出来ない人は出来ないという単純当たり前のことなのです。そこが見抜けなくてはダメなのです。事故のあったエレベーターの保守管理でも、保守の作業はどこがやっても同じだから入札で一番安いところを選択すればいいと考えられていた節があって、3年で会社が3つも変わっていたようです。
以前は専門家でなければ手が出せない、またはその道の人に相談しながら慎重に進めなくてはならないといったことが数多くありましたが、最近は専門的知識がなくても、もしくはネット等から情報を得て一般の方ないしは素人がそういった専門的なことを取り扱うようになってきています。 しかし、どこまでいっても見極める力は必要です。それがないと今回のエレベーター事故のようなことが起ります。導入設置段階も保守メンテも金額だけではない、エレベーターには何が重要かということを見抜く力のある人が関わっていれば防げた事故だと痛感しまた。
エッセイをお読みいただいている皆様、クルマ、ナローも全く一緒です。購入時も修理整備も、クルマのことは専門的でわからないとしても、購入相手、修理する方、人を見抜く力は是非身に付けてください。


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