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ナローポルシェや、M-HOUSEをとりまく色々な事柄を綴った不定期更新のエッセイです
第82話 ポルシェの特異性に関する考察ー1
「911マガジン」と「911デイズ」

このESSAYの中でも何度もポルシェの特異性については取り上げてきていますが、最近お電話での質問やいろいろなサイトで、ポルシェが凄いのどうのといったって所詮同じクルマだし特別視するのはおかしいんじゃないかといった話を良く耳にしたり見かけます。そこで、やっぱりポルシェは凄いというか、少なくても他のクルマとは違う、もしくは変わっているということを何話かお伝えすることで、ポルシェの特異性をあらためて浮き彫りにしたいと思います。

現在日本には、ポルシェ専門の雑誌として定期刊行のものとしては、季刊ながら「911マガジン」と「911デイズ」の二誌があります。二つになった経緯には今回触れませんが、単一のメーカーを対象とした雑誌が片や12年以上、もう一方も7年以上続いています。このような例は他のメーカーを対象としたものにはありません。
そんなメーカーも少ないと思いますが、アルファロメオ、BMW、フェラリ、少し譲ってジャギィアー(イギリス人に撥音してもらいました)などにあってもいいんじゃないかと思います。しかし、現実にはありません。商業的に成り立たないから続かない、存在しないということだと思います。それはポルシェに関する両誌が季刊だからだろうと思われる方がいるかもしれませんが、それは関係ないと思います。アルファやBM(不定期にはあった?)にもそれはないわけですから。それに他のメーカーの生産台数や現存数はポルシェの数十倍(フェラリを除いて)になりますから、あっても不思議ではないはずです。世に、BM信者、アルフィスタと称される方が五万といることはわかりきっていることですから。

ちょっと話は変わりますが、今日現在(2006年上半期までとしてもいいです)までの日本におけるポルシェの正規ものの販売台数はどのくらいだと思いますか。
ミツワ時代からポルシェジャパンになった今までをトータルして5万台を数千台超えたか位の台数のはずです。少ない!!とお思いですか?。それはすべてのポルシェ、356、911(964、993、996、997を含む)、912、914、924、928、944、968、ボクスター、カイエン、ケイマンまですべてのバリエーションをみーんな含めてですよ。多少の誤差はあると思いますが、ポルシェジャパンに問い合わせたら年ごとの輸入台数をもしかしたら教えてもらえるかも知れません。これに並行もの、356からナロー、カレラGTまでを加えても倍の10万台なんていきません。そして、ポルシェの残存率は異様に高いといっても事故等で失われたものありますから、どう考えても、BMWの2年分の販売台数にも満たないわけです、ポルシェのオーナー数は。

すべてのポルシェオーナーが「911マガジン」と「911デイズ」を必ず購入するわけではないのはいうまでもありません。それでも、ポルシェ専門の雑誌が二誌も並存するんです。やはり少し変だと思いません?。自動車雑誌は売れ行きが落ちると、映画会社が忠臣蔵をやったり、宝塚がベルサイユのばらを上演するように、ポルシェ特集を組みます。それは必ず売れます。その威力は絶大だといいます。それは各社各誌の単行本、別冊においても同様です。それは、ポルシェオーナー予備軍、あこがれている人、ポルシェが買えなくても情報だけでも知っていたいという人が、オーナーの何倍もいることを示しています。またちょっと話はそれますが、そのことから生じる弊害、ポルシェの礼賛記事しか生まれないについてはまたあらためて触れます。

ポルシェファンに限らず車好きに、一生に一度は乗ってみたいクルマは何?と聞くと、多くの人がポルシェをその一台に上げます。人によっては、BMのMに乗りたいアルピナに乗りたい、フェラリの12発に乗りたい、アストンには一度は乗りたいというかも知れませんが、一台だけ選ばなくてはならないとしたらとたずねたら、100人中90人以上の人がポルシェと言うでしょう。これはやはり少し変です。こういうことを普通、特異なことといいます。


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