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第84話 ポルシェの特異性に関する考察ー3
最新のポルシェは最良のポルシェ
新しいポルシェが出る度に自動車雑誌の記事は、「最新のポルシェは最良のポルシェ」という言葉のオンパレードというかこの言葉で記事の結論とするということが繰り返されます。
今日ははっきりさせておかなくてはならないと思いますが、ヨーロッパの自動車メーカーのクルマは新しいモデルの方が必ず前モデルより良くなっているということです。最新が最良なのは何もポルシェだけではないのです。
それには理由があります。それは、メーカーとしての基準というか、水準をきちんと確定して持っているといことです。つまり、前モデル以下の水準のニューモデルは市場に出ないのです。
同じモデルの新旧では、試乗するまでもなく、確実に新の方が良くなっています。更に、同一メーカーのモデル間の差異にもそれは徹底されています。例えばBMWには1から8までの各モデルがありますが、5より3の方が剛性があるということは決してありません。たとえM3と530でも530の方がいわゆるいいクルマです。そういうことは絶対です。日本車に良くあるようなワンランク下のスポーツモデルの方が、上のクラスより良くできているというようなことはありません。このことは、自動車ジャーナリストの方々には常識であるはずですが、他のメイクでは「最新は最良」というフレーズは使われません。このフレーズを使う方、またそれを読む方、どちらも何の違和感を覚えず、ポルシェにだけが当り前の約束事のように使われるのは、客観的に見たら明らかに特異なことです。
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